かつては、むかわを逆さ読みして「ワーカム北海道」と称していたいすゞ自動車のテストコースも、2020年に社名を変更し、株式会社いすゞ北海道試験場に……。
いすゞは、その北海道勇払郡むかわ町にある広大なテストコースに自動運転専用テストコースを新設。自動運転レベル4トラック・バスの早期実用化に向けた取り組みを加速する計画をスタートさせた。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞ自動車・フルロード編集部
いすゞ北海道試験場に自動運転専用コースを新設
いすゞ自動車は、自動運転レベル4トラック・バスの早期実用化に向けた取り組みを加速するため、いすゞグループのいすゞ北海道試験場(以下IHPG)の敷地内に、自動運転専用テストコースを新設する。
将来的には自動運転スタートアップ、自動車部品サプライヤー、交通インフラ業界など、いすゞグループ外の企業・組織が利用できるよう開放し、社会全体の自動運転技術の向上に貢献するとともに、自動運転ソリューションの早期の社会実装を目指すという。2027年9月に本格的な稼働開始を計画している。
新設する本テストコースは、広大な面積を誇るIHPGの敷地内に、約19万㎡を新規に開発。市街地、高速分合流、郊外路など各試験エリアを設定のうえ、さまざまな交通インフラを設置。
ここでは、公道での実施がむずかしい高度なシナリオを安全に再現し、自動運転技術の評価・測定・検証を行なうことが可能になる。2026年夏に一部コースの使用を開始し、2027年9月の本格稼働を予定している。
敷地面積は約19万㎡、投資総額は約74億円で、対応コースには市街地路、高速分合流、坂路、郊外路、駐車、多目的(可変コース設計)、ADAS試験などの各エリアを設定。
主な交通インフラとしては信号機、電光掲示式速度規制標識(さまざまな速度制限の検証を行う設備)、自転車専用レーン、バス停、V2X設備(車両とインフラの協調通信)、ETCゲート、踏切などを設ける。
また、試験研究棟には、大型車両整備場 、外部パートナー滞在ルーム 、プレゼンテーションルーム、遠隔監視ルーム (2028年10月稼働開始予定)などが設けられる予定である。
自動運転専用コースの主な特徴
1. 国内商用車メーカー初の自動運転専用テストコースで、連節バスや大型トレーラといった全長が長く車両総重量の大きなクラスの車両にも対応する。
2. いすゞグループにおける自動運転技術開発の中核拠点の位置づけである。自動運転車両のセンサー・AI・制御技術の総合評価を行なうとともに、国内外の拠点と高速ネットワークで接続し、リアルタイムにデータを共有・活用する体制も整備する。
3. 本テストコースの隣接地に試験研究棟を新設し、自動運転車両の整備スペースや協業パートナー向けのワークスペースを設置する予定。スタートアップや異業種との協働を通じて、自動運転技術の研究・開発や実証実験を推進するオープンイノベーション拠点として活用する。
4. 本テストコースを活用することで、国や自治体、研究・学術機関などと連携して、自動運転ソリューションの社会実装に向けた安全基準や試験方法などのルール作りの一翼を担う。また、自動運転レベル4の許認可取得や国際法規対応に必要な検証データの取得も進める。これらを通じて、人と自動運転車両が共存していくための社会受容性の向上も図ってゆく。
今回の自動運転専用コースの新設の背景には、少子高齢化の進展や都市部への人口集中など、特に国内で社会構造が大きく変化する中、物流・人流を支えるドライバーの高齢化や人手不足への対応が喫緊の課題となっていることが挙げられる。

いすゞグループは、中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030(IX)」の中で、これら社会課題を解決する新事業への挑戦として、自動運転ソリューションの技術領域に注力することを掲げている。
具体的には、2027年度に自動運転レベル4トラック・バス事業を開始することを目指しており、いすゞグループ単独ではもちろん、国や自治体、国内商用車メーカーや先進技術を有するスタートアップなどとも連携し、自動運転技術の開発や事業化の検討を積極的に進めている。
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