オランダの特殊トレーラメーカー・ノーテブーム社は、1990年代に日本市場に参入。2000年代以降は事実上の撤退状態になっていたが、このほど日本市場へのカムバックが実現!
世新建設運輸(神奈川県横浜市)が導入したノーテブーム社製6軸伸縮式セミローローダーは、インナーフレームを引き伸ばすことで荷台全長を約11400mm、約18800mm、約26500mmで設定可能。
耐荷重性とオフロード走破性に優れる油圧ペンドルアクスルは最大60度の車軸ステア機能を備え、多彩なフィールドで活躍しそうだ。
重量物輸送の本場・ヨーロッパで「多軸トレーラの最高峰」の異名を取るノーテブームの最新式トレーラに迫ってみよう!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2020年12月10日発売「フルロード」第39号より
【画像ギャラリー】モビルスーツを乗せたくなるこのメカニカル感!! オランダ・ノーテブーム社の多軸トレーラが日本再上陸!!
■伸縮機構と拡幅機構の組み合わせで1台で6種類の荷台バリエーションを実現
セミローローダーは中低床トレーラのこと。前から後ろまでフラットな荷台を持つフラットベッド(平床トレーラ、まな板トレーラ)と、車軸のない部分の荷台を地面ギリギリまで下げたローローダー(低床トレーラ、中落ちトレーラ、ドロップデッキ)の中間に位置するトレーラだ。
フラットベッドと比べると、荷台の床面地上高が低いため背の高い積み荷が運びやすい。いっぽう、ローローダーと比べると床面地上高は高くなるが、フレームの剛性では勝り、最大積載量が取りやすい。また、全長も短くできるため狭い場所での取り回しでも有利となる。
伸縮式トレーラとは、文字通り荷台に各種伸縮機構を備えたトレーラのこと。インナーフレームを伸ばすタイプ、延長アタッチメントを取り付けるタイプなどが存在し、今回のノーテブーム社製6軸伸縮式セミローローダーはインナーフレーム式を採用する。
荷台全長は、インナーフレームを伸ばしていない標準状態で約11400mm、1段目のインナーフレームを引き伸ばした状態で約18800mm、2段目のインナーフレームを伸ばした状態で約26500mmとなる。ちなみに単車の大型トラックの全長が12mなので荷台だけで大型トラック2台分を超える計算だ
荷台幅は、標準時が2740mmだが、荷台側面に格納されているエクステンドバーを引き出せば2990mmまで拡幅可能。3種類の荷台全長と、2種類の荷台幅を組み合わせることで、合計6種類の荷台バリエーションを実現する。
世新建設運輸では2016年と2018年に他社の伸縮式セミローローダーを導入しているが、現場で「スペック的には運べるのに、荷台の形状が合わず運べないことがあった」という。豊富な荷台バリエーションは、年々大型化する積み荷への対応力アップという点でもメリットになりそうだ。