タイユーのUS OTR百景 No.19
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寄稿・連載
OTR最後の大陸横断
星降る夜空を眺めながらOTRドライバーとして最後の大陸横断。I-80を西に向かってひた走っています。
実は数カ月前から計画していたのですが、いま世界が注目しているノースダコタ州のシェールオイルフィールド(油田)でオイルタンカーを引っ張る仕事をしたくて、数社に履歴書を送っていたのですが、やっと1社から仮採用の通知をもらい、4月の中旬に出かけることになりました。ですから、MATSのトラックショーの後、一旦東海岸のノースキャロライナ州まで行って、折り返し西海岸に向かって走っていますが、これがOTRドライバーとしての最後の大陸横断となります。
マップ
①ノースキャロライナ州 ロッキーマウント
②ミズーリー州セントルイス
③アイオワ州オッタムワ
④カンサス州カンサスシティー
⑤ユタ州ソルトレーク(現在地)
⑥ネバダ州リノ
⑦ネバダ州ラスベガス(タイユーのホームベース)
アメリカには、何カ所かシェールオイルフィールドがありますが、3Kで有名な油田の仕事場の中でも、ノースダコタは冬場の気象条件が厳しく、人口が少ないために大きな町もほとんどなく、働く環境が一番厳しい場所としてトラッカー仲間に知られているところです。自分の限界へのチャレンジとして最適の条件と思い応募してみたのですが、いつまで続きますやら……。
全米を走りまわる経験をもとに、独自のアメリカツアーをデザインしようと思ってなったOTRドライバーも、この4月で丸7年になります。当時は数年でツアーを催行と思っていたのですが、OTRドライバーだとなかなかツアーをデザインしている時間が取れず7年もたってしまいました。油田の仕事は定期的に休みが取れそうなので、来春催行をめざしてのツアーデザインと胸算用をしています。
自分がアメリカに渡ってきた70~80年代は、ジャパン・アズ・ナンバーワンの世界経済大国として戦後の復興を世界に誇っていたものです。ところが、20年以上も前に不動産バブルがはじけて以来日本はすっかり萎縮し、ジャパン・アズ・借金ナンバーワン国と激変してしまいました。ジャパン・アズ・ナンバーワンが簡単にはじけてしまう虚像経済大国であったわけですが、その原因がどこにあったのか、なぜ錯覚したのか、世界最大の借金をどうしたら返済できるのか等と、アメリカの裸の姿を案内しながら、お客様と大いに語れるツアーをデザインできればと夢みています。
今のアメリカは、日本に勝るとも劣らない借金を抱えていますが、過去の例でいえば、アメリカが借金を抱えるときは世界が大きく変わるときです。その世界をも変えるアメリカのエネルギー源がシェールオイルなのか否か、現場でオイルタンカーを走らせながらじっくりと学び、そしてそのエネルギーを、ツアーのお客様と分かち合いたいものです。
アパラチア山脈 春真っ盛り
夕日のロッキー越え
OTR=Over The Road アメリカを走る長距離トラッカー
If It Is To Be, It Is Up To Me 明日の喜びは自らの手で
アメリカン・トラック野郎 タイユーは走る
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ツイッター @taiyu_usa
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