元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.40
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寄稿・連載
トラックドライバーの誇り その38
最低運賃の復活といっても、私自身、たやすいことだとは思っていません。よく、「タクシー業界が出来たのだから、運送業界だって出来てもおかしくない」という意見がありますが、とんでもないことです。
その理由は、タクシーの場合運賃を払うのは、一般の国民である客であって事業主ではないからです。ハッキリ言って、安全ということを謳えば値上げがしやすいのです。
運送業の値上げの相手は、経団連などの経済三団体と呼ばれる、巨大化け物集団が相手なのです。皆さんご存知のように、政治行政に対する最も大きな圧力団体が相手なのです。
今般の契約社員の法改正を見てもらうとよく分かります。現在は三年毎の契約更新ですが、これからは五年で正社員に採用しなければならなくなります。ということは、4年11カ月で解約になり、別会社か派遣社員、または、パートかアルバイトになるしかありません。あたかも、正社員になるチャンスが広がったと説明して、実は契約社員として長く勤めることが出来なくなったのです。
こんなバカげたことになるのは、雇用主側である経団連などの圧力団体の仕業だとしか思えません。それほど強力な相手なのです。
日本トラック協会の設立目的からいって、彼らが真っ先に最低運賃復活に動かなければならない筈なのです。しかし、残念ながらトラック協会は、その政治力があまりにも小さすぎます。相手が経済三団体なのですから……。
では、なぜお前はあたかも出来るような大見得を切ったかって? はい、すみません。簡単に出来ないことは重々承知です。でも、諦めてよいものでしょうか?
よく現実を見てください。仕事の契約上の流れ、そして運賃の流れの中で、無駄はありませんでしょうか? みなさんがよくご存じのことなのです。そこに答えはないでしょうか……。
トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
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