県道だから大丈夫と入ったら大ピンチ!! ときには試練の道になることも【トラックドライバーが綴る忘れ得ぬ道】

その他にも試練の道はたくさん! でも癒やされる道もたくさんあります!!

 他にも試練はたくさんありました。福島から栃木に抜ける国道121号線の途中、「落石注意」の看板があり、あまり気にせず走っていたら頭ぐらいの大きさの岩が転がっているのを見つけ慌てて走り抜けたり、山口県の国道187号線から散々右折待ちしてやっとこさ脇道へ曲がりきった瞬間「この先大型車通行困難」の看板が出てきて、「曲がる手前に看板置けやー!」と心の中で叫びながら対向車を止めてこの先通れるか聞いてみたり……。

 長崎の路面電車の通りは、駅の横の車線がいきなり乗用車の幅くらいになって、はみ出さないと通れないのに乗用車は横からはぶっ飛ばして来るし、バイクは右から左からじゃんじゃんひっきりなしに来るから、なかなかうまく進めなくてもう二度と走りたくないと思ったり(笑)。

 あとは高さ3.6mのJRの高架橋が出てきて、交差点を封鎖してUターンしたり、通ろうと思っていた橋が重量制限で通れなくて急遽迂回したり、1本しかない降ろし先への道で、木の枝の洗車機みたいな狭いところを全身枝で擦りながら通って行って、降ろし先でウイング開けたら木の実が肩に降ってきてびっくりしたり、書き出したらキリがないほどたくさんあります。

道はときに高さによる試練も与える……
道はときに高さによる試練も与える……

 でも、それを全部忘れて疲れが吹っ飛ぶくらいの絶景に出会い、癒されることもあります。

 最近は近場しか走らないので見慣れた景色ばかりですが、長距離に乗っていた頃は思いもよらぬ絶景がいきなり視界に入ってくることがごくまれにありました。

 やっぱり富士山はいつ見ても見とれてしまうんですが、その中でも忘れられない富士が2つあるんです。1つ目は国道137号線。長距離1年目で、まだ道もろくにわからず必死に走っていた頃、静岡から山梨に向かう途中で、偶然見つけた河口湖に映る逆さ富士! めちゃくちゃ綺麗でテンション上がりまくりでした。

 2つ目は国道246号線の御殿場で、早朝に視界に入ってきた富士山。ものすごく綺麗な赤富士でした。幻想的で見とれました。よく通る道でしたが赤富士を見られたのはこの1回きりでした。

 次は北関東方面に行き来する時によく通っていた長野県の県道40号線。諏訪から白樺湖の横を通って立科に抜けるルートの、峠を越えて立科方面に下って行く途中の展望台があるところですが、視界がパーッと開けたと同時に、見渡す限り一面に雲が敷きつめられた雲海が広がっていました!

 飽きるほど通っていた道なのに雲海が見られるとは知らなかったので、びっくりして眠気も吹っ飛び感動しました。

 他にも、北海道のどこまでも真っ直ぐな道や日勝峠から見える十勝平野、とにかく畑が広がる富良野、どの空も全部繋がっているって思いました。こんな景色に出会った時もこの仕事をしていて良かったって思う瞬間の一つです。

 信号が無い高速道路も楽で好きですが、一般道の田舎道をのんびり走るのが一番好きです。虹なんか出ていたら疲れが吹き飛びますね! 一瞬だけ(笑)。

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