丁寧なつくり込みで模型映えがする
今回ボディカラーは白一色のみで、カラーバリエーションはない。バンパー、グリル、フェンダー、コーナーパネル、ミラー等はクロームメッキ、フルメッキ仕様で模型映えがする。メッキの状態は非常に良く、顔が写り込むほど。
いわゆるプラスチックメッキではなく、銅等の金属下地処理をした後、本物のクロームメッキをしていると思われる。タイヤは欧州車用を使い回しせず、微妙に小さい日本車サイズのタイヤを新規で起こしている点はポイントが高い。
パッケージは今までの同社製品にはなかった白を基調とした赤い日の丸、日本をイメージさせるデザインで好感が持てるものだ。
現物を手にするまでわからなかったが、258台生産の限定で、ご丁寧にナンバリングしたカードが同梱されている。ホイールベースが長いのが幸いして家畜運搬トレーラとのマッチングもぴったり。
このトレーラを導入した会社はギガで引かせるとお聞きしている。
モデルは大きなボディ、底板等ほとんどダイキャスト製でずっしりと重く、しっかりした作り。特徴的な巨大なテールゲートやルーフ、サイドのパネルが開閉しないのがちょっと残念だが、コスト面で諦めたのだろう。
エアサスペンションのディテールは再現されていてスプリングが仕込まれ、豚さんに優しいエアサスの乗り心地を再現している。今まであまりなじみのなかった外国のトレーラも輸入が増えてきて、模型のコレクションの幅が広がっていくのは嬉しいかぎりだ。
日本に輸入されたベルデックス社の家畜運搬トレーラ
さて、ここからは実車の話である。このほど家畜運搬トレーラの製造に特化したオランダ・ベルデックス(BERDEX)社の家畜運搬トレーラが初めて輸入されたのでレポートしよう。
同社は第二次世界大戦後すぐの1947年創業。独自のモノづくり哲学で革新的なトレーラを開発。当初より欧州を行き来するトレーラを目指していた。
家畜を生きたまま安全に運搬することは、我々がクルマに乗って移動することとは違うむずかしさがありそうだ。確かに愛犬と一緒にドライブするだけでも、人を乗せるのとは違う環境を作ってあげる必要がある。
食肉になるのだから適当に乗せて運べばいいのでは、とも思ったが実はそうではなかった。
養豚場や牧場から豚をスムーズに乗せ、安全に豚が怪我しないように運ぶ。トレーラにはどんな工夫が必要なのだろうか。豚だけではなくドライバーをはじめ携わる人達にもストレスが少ないほうが良いことは言うまでもない。
欧州のトレーラの車幅は国内基準の2500mmを超えているため、車幅2490mmに設計し直し、日本仕様として輸入元が特注したものだ。全長は12990mm、全高3790mm。カプラー位置も含めてオーバーハングが長いためホイールベースの長いトラクタで牽引する。実車を目の前で見ると背が高く、かなり大きく感じる。
ボディはアルミ製で3段式の床を採用
重そうに見えるが、ボディはアルミ製で10.5tと軽量につくられているため、最大積載量は25t。大きな油圧式テールゲートを開けると、三段式の床が現れる。このゲートは開くだけではなく水平にリフトアップしてそれぞれの階に豚を移動できる。
奥までは距離があるので庫内には仕切り扉が4カ所が付いていて、豚を10頭ずつくらい囲うことができる。これもアルミ製でワンタッチで開閉できる構造だ。
1段ごとの高さは豚の背より少し高いくらい。一頭約120kgの豚を200頭以上載せられるので、大型トラックで回数を運ぶよりも労力、コスト面で有利だ。
3軸、ダブルタイヤ、エアサスペンション仕様、これだけでも乗り心地はいいだろう。復路、空荷の時は前後2軸を上げ1軸で走行、燃費節約、高速代節約を図れるリフトアクスルを採用。