元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」No.126
/
寄稿・連載
長距離ドライバーの健康問題(其の四)
名張市の会社を辞めてからも、同じ市内の会社でトラックを買ってもらい、長距離の仕事は続けた。それは、それまで培ってきた取引先や知り合った会社との信頼関係があったからこそ、できたことなのは言うまでもないことだ。
その頃は、バブル景気が終焉を迎えていた頃で、バブルという言葉が出てきて、それが定着しつつあった頃でもある。そんな状況でも、仕事に不自由することはなく、自分の配車は自分でしていた。もちろん、より運賃の良い方へ流れて行ったのは仕方のないことだ。
だからと言って、運賃ばかりに目を向けて仕事を選んでいたわけではない。それは、自分を高く買ってくれると同時に、自分自身が力を発揮できる仕事ということも前提にある。
話は少し脱線するが、私の場合、自分のポリシーとして、或いは元々持っているアイデンティティとして、所属する会社なり取引先の利益を優先し、それが認められるということが、仕事を、また取引先選びの大前提にあった。
そんなわけで、楽な仕事選ぶということは眼中になかったのだが、それに見合った運賃は欲しかった。つまり、それが仕事に対する対価であり、自分を認められるということと、当時は思っていたのである。だから、その後20年間、一匹オオカミの長距離ドライバ―としてやってこれたと、自負している。
もちろん、その思いは現在でも生きていて、現在、肉屋で働いているが、自分の担当(ミンチ)の売り上げ増と、仕事の効率を図ることを考えている。だが、この場合、仕事に見合った対価はないが(笑)
そんな考え方なので、無理を言われても断らなかったし、また、自分自身の欲と道連れということもあり、かなりの無理をした。当然、仮眠時間や食事が疎かになり、自分の健康に害を及ぼしたのは言うまでもない。自分の無理、そして、荷主側の無理解が、私の場合大きく影響してしまった。
何故か……。前置きが随分長くなってしまって(笑)
次回からは具体的な話に移っていきたい。
●トラさんの「長距離運転手の叫びと嘆き」のURL
http://www.geocities.jp/boketora_1119/
●トラさんのアメーバのブログのURL
http://ameblo.jp/tora-2741/
コメント
コメントの使い方