岡雅夫の「働くクルマ」のショートエッセイ 第48回
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寄稿・連載
欧州クルマ紀行 その③
オーストリアは、北海道ほどの面積でそれほど広いわけではないが、アウトバーン(高速道路)を利用してもバスではかなりの時間がかかる。ツアー初日のバス移動距離は500kmにも達する。西部のグミュントという田舎町にオーストリアのポルシェミュージアムがある。ここに初代モデル「356」の木型が置いてあり、古いポルシェを中心に20台以上の貴重なモデルが展示されている。マニアにはこたえられないものばかりだ。ところで今回は大型バスで移動したが、ドライバーは実直なオーストリア人で42歳、制限速度は驚くほど確実に守り、ドライビングテクニックは特に狭い山道で光る。ドイツでは高速道路でのスピード取り締まりは一切無い。全て自己責任に任されており、最近は速度制限区間も増えたが、郊外は大体速度無制限だ。従って高速車線の流れは150km/h以上で少し速い車は200km/h以上で走る。しかし今回事故は1件も見ることは無かった。これはしっかりとルールとマナーが守られているためで、煽るためのパッシングは禁止され、追越車線は常に空けるように教育されている。なお、覆面パトカーはいるそうだが、スピードには寛容でもマナー違反にはうるさいそうだ。バスの最高速度は100km/hであり、メーターが壊れたように針は100を示したままだ。 ・・・つづく・・・ (元社団法人日本自動車工業会モーターショー室長)
ザルツブルグ市内
オーストリアのポルシェミュージアム
ポルシェミュージアム
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