EV充電の新たな選択肢になる!? 三菱ふそうなどがeキャンターを使ったワイヤレス充電の実証を開始

位置ズレの課題も

 今回の運用方法では、ケーブルを伸ばし充電する手間や負担の低減や、ケーブルが散らからないことで安全性が向上するといったメリットに限定されるが、今後の展開次第では荷物の積み降ろし中や待機中の経路充電(移動途中での充電)など、EVワイヤレス充電によってさまざまな活用方法が想定できるようになるだろう。

 いっぽうで普及するためには、コイル同士の「位置ズレ」による充電効率の低下や、受電側ユニットの搭載による車両重量の増加、漏洩磁界による人体への影響(人体ばく露)などの課題も残る。

 位置ズレの問題は走行中のDWPTにおいてはさらに難しい課題だが、今回のSWPTの実証では、前後方向で40mm、左右方向で110mm以内を充電可能範囲として設定し、それ以上ズレる場合は過電流保護装置により充電が停止する仕組みが採用される。

 また、前後方向のズレ対策として車止めも設置したほか、左右方向は駐車場に車体の左右と中央に合わせた3本の線を引き、ドライバーがバックカメラや目視で正しい位置に止められるようにサポート。

 加えて受電コイル部に専用カメラを増設し、モニターに設定した白枠と送電コイルに描かれた赤枠を合致させることで位置ズレをなくす対策を行なっている。

送電コイルユニットと車止め。「位置ズレ」は充電効率の低下や漏洩磁界の増加を招く可能性があるためワイヤレス充電の課題といえる
送電コイルユニットと車止め。「位置ズレ」は充電効率の低下や漏洩磁界の増加を招く可能性があるためワイヤレス充電の課題といえる
受電コイルの後方にカメラを増設。室内のモニターで送電コイルと受電コイルの位置ズレを確認できる
受電コイルの後方にカメラを増設。室内のモニターで送電コイルと受電コイルの位置ズレを確認できる

 漏洩磁界については、三菱ふそうの喜連川研究所で行なわれた試験で車両の周囲・キャブ内の磁界を計測。磁界に対する安全基準を定めたICNIRPガイドライン2010等の基準値以下となっており、通常の使い方の範囲であれば人体ばく露の問題はないという。

 いっぽう、車両重量は受電側のユニット搭載で+100kg。搭載スペースの関係上スペアタイヤも取り外されており、ユニットの小型化・軽量化は今後の課題といえるだろう。

 スマホのQi(チー)規格のようにEVのワイヤレス充電が普及していくためには、このほかにもコスト、制度・規格化、インフラ面など、乗り越えるべきハードルはまだまだ多い。

 とはいえ、EVワイヤレス充電は世界的にもようやく実用化フェーズに突入したばかり。三菱ふそうは、先行して実証を行なっているバッテリー交換式EVとならび、EV充電の選択肢の1つとしてワイヤレス充電にも取り組んでいきたいと語っている。

【画像ギャラリー】三菱ふそうなどが開始したEVワイヤレス充電の実証実験(11枚)画像ギャラリー

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