早くも世界一過酷なラリーの幕開けだ! 967kmのロングステージを2日間かけて走破する過酷な「48hクロノステージ」が5~6日にサウジアラビア中西部のビーシャを基点に行なわれた。
日野チームスガワラのHINO600シリーズは、このステージを4輪総合60位、トラック部門6位の成績で無事ゴール。この日までの累積順位を4輪総合63位、トラック部門6位とした。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・フルロード編集部
前半戦最大の難所を無事クリア
今大会の中で最大の山場の一つとされるこの行程のSS(競技区間)はリエゾン(移動区間)で45km移動したビバークの西側からスタート。コースは大きなループ状で前半は北上、後半は南下してスタートと同じ地点にゴールする。多くの部分は2輪部門とは別のルートとされていた。
リスクが高まる日没後の走行を抑制するため、主催者はコース上にAからFまで6つのビバークを設営。各地点には通過の締め切り時刻が設定されており、これを過ぎて到達した参加者はその先へ進めず、到達地点で宿泊する。6日は各地点から前日の到着順に再スタートが切られ、ゴールを目指す仕組みだ。
ゴール後は再び46kmのリエゾンを戻り、ビーシャのビバークに帰着する。SSの路面は土や砂地の未舗装路から岩場、そして砂丘と多彩に変化。ナビゲーションが複雑な区間も多かった。
菅原照仁/染宮弘和/望月裕司の3人が乗り組む日野チームスガワラのHINO600シリーズは5日の朝、4輪の108番手、トラック部門の12番手でSSをスタート。自動変速機のローレンジを駆使して中高回転を保つ快調な走りで序盤からじわじわと順位を上げていった。
中盤の砂丘セクションでトラック部門の8番手まで浮上した日野チームは、50分間の停車が義務付けられる413km地点のニュートラルゾーンで燃料を補給したあと、491km地点のビバークAを19時の締め切り時刻の1時間以上前に通過。次に到達した521km地点のビバークBはすでに締め切り時刻を過ぎていたため、この日はここまで。4輪総合80番手、トラック部門7番手でこの日の走行を終えた。
6日は朝7時32分30秒にビバークBを出発。2箇所の大きな砂丘のほか、ペースの上げられない起伏の低い砂丘などストレスの高い区間が続いたがパンクやトラブルはなく、終盤までに順位を4輪の60位、トラック部門の6位に上げて無事ゴールに到着した。
7日の行程はビーシャ~アル・ヘナキヤの間で327kmの競技が予定されている。
【日野チームスガワラのスタッフのコメント】
菅原照仁
今は車両の状態が良くて、安心してアクセルを踏んで行ける感じ。ローレンジを使い、砂丘でも大排気量車にそん色ないペースで走れています。スタート時間が遅いので早いうちに日没になりますが、砂丘は越えていたのでラッキーでした。
染宮弘和
ナビゲーションはむずかしくはなかったですが、砂丘の中で複雑な指示の続く区間はありました。やはり2日間のロングステージは疲れますが、元気にやっています。
望月裕司
一つの山場を越えて一安心です。昨晩ビバークで一通りの点検をしましたが車両は問題なし。走行中は路面の変化に対するタイヤ空気圧の調整もうまく行き、気持ちよく走ってもらえたと思います。
門馬孝之
1日目にはSS途中のサービスポイントにも赴きましたが、不具合はなし。その後も順調で、無事明るいうちにゴールできて良かったです。今晩はメカニックが頑張って車両をリフレッシュして、明日のステージに備えます。
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