このところ排ガス対策などでトラックは重くなる一方だが、そうした状況を背景に装着率が伸びてきているのがアルミホイールである。鉄ホイールからアルミホイールに履き替えるだけで、一般的な大型トラックで約100kgの軽量化が図られるため、現在では装着率が30%を超えたというのも頷ける話だ。ただ、鉄ホイールが装着されている車両にアルミホイールを後づけ装着する場合は、アルミホイール専用のホイールボルトへの交換が必要となり、時間・費用を要することから、装着を断念するケースも多く見られた。
アルコア・ホイール・プロダクツ・ジャパンでは、この問題をクリアする画期的な製品「アルコア・レトロフィット・マウンティング・システム=ARMS(アームス)」を開発し、この5月10日から発売するという。本日、東京・日比谷の同社で発表会が開かれたので、早速レポートしよう。
ARMSは、鉄ホイール用のホイールボルトをそのまま使用できるようしたことが最大のミソ。このためARMS専用のアルミホイールは、ナット掛りを十分に確保し、締付けを安定させるため、ホイールのボルトホールを32mmに大きくし(従来は一般的に26 ㎜)、その中にスリーブ形状を持つ専用ナットで取付け、ネジの掛り代を満たす方式を採用している。また、独自のスリーブナットは、ホイールのセンターを出しやすくする働きもあり、車両の走行安定性や整備性の向上にも貢献する。
こうした特徴によりARMSは、ホイールとナットを専用化したことで一般的な後づけ装着よりも約18~25%の装着コストの削減ができ、さらに鉄ホイール仕様のスタッドポルトを流用し、ホイールボルトの打ち替え作業も不要のため、作業時間も約70%削減できるという。
アルコアでは、アルミホイールは、鉄ホイール比べ軽量で耐久性に優れていることにプラスし、放熱性に優れていることから、車両の積載量の確保、省燃費タイヤとの併用で燃費性能の向上を図ることができ、加えて、アルミホイールが持つ輝きは、車両全体のイメージを向上させ、車両に高級感とクリーンで衛生的なイメージを生むなど数々のメリットがあることから、新車装着と共に、ARMSによる現行車両への装着も強力に推進したいとしている。また、中古車のボディ載せ替え時の積載確保、さらに夏タイヤ/冬タイヤの履き替え時に、ホイールも一緒にアルミ/鉄仕様に履き替えるなど、タイヤショップ向けのニュービジネスの提案もしたいとしている。
なおARMSのホイールサイズは、ISO タイプの22.5×8.25-10H 、22.5×7.50-10H インチサイズで、価格はオープン価格ということだ。
。
コメント
コメントの使い方