日本ミシュランタイヤの「ウインター・エクスペリエンス」から

日本ミシュランタイヤの「ウインター・エクスペリエンス」から

その1 真冬の北海道で「氷雪路」体験

すでに速報版(「気分はアイスロード・トラッカーズ!?」)でごく概略だけをお伝えしていますが、日本ミシュランタイヤでは2月16日・17日の2日間、北海道・旭川および士別において、「ミシュラン・ウインター・エクスペリエンス2012」を開催しました。トラックユーザーやトラックディーラーと共に、本誌「フルロード」もこの催しに招かれたので、その模様をもう少し詳しくレポートしたいと思います。

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ちなみに「エクスペリエンス」っていうのは、経験とか体験という意味ですから、今回のウインター・エクスペリエンスは、ちょっと意訳していうと「氷雪路特別体験会」とでもいいましょうか。一番の目玉である新製品のスタッドレスタイヤ「MICHELIN X ICE GRIP ENERGY XZW」の氷雪路での体験試乗会をはじめ、トラック用タイヤとミシュラン製品に関するさまざまなプレゼンテーションが行なわれ、中にはミシュランが推奨している「リグルーブ」体験まで盛り込まれていたので、まさにタイヤ漬けの2日間です。でも、外資系の企業って、こういうイベントでのホスピタリティが実に上手ですね。その間、懇親会やらビンゴ大会やら、ミシュランらしい気のおけないアットホームな対応で、とても楽しい2日間でした。

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さて、日本ミシュランタイヤが昨年9月6日に発売した「MICHELIN X ICE GRIP ENERGY XZW」とは、一体どんなタイヤなんでしょうか? ミシュランでは、これまでに氷雪路性能重視スタッドレスタイヤとして、ロングライフ性能、氷雪グリップ性能の高い「XDW ICE GRIP」を開発し発売していましたが、この「X ICE GRIP ENERGY XZW」は、専用に新開発したエナジーコンパウンド、エナジーケーシング、そして新しいトレッドデザインを採用することで、従来のロングライフ性能・氷雪グリップ性能を損なうことなく、さらにそれらと二律背反的な関係にある転がり抵抗の低減を実現。エナジーコンパウンドには、新たにシリカを配合し、分子レベルでゴムの結合の安定性を高め、転がり抵抗を低減することによって、燃費性能を向上させています。発売サイズは、11R22.5と275/80R22.5の2サイズで、順次拡大していく予定で、ミシュランの3R(新品+リグルーブ+リトレッド)にも対応しています。

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ところでミシュランの低燃費タイヤには、すべて「ENERGY(エナジー)」というネームがついていますが、「MICHELIN X ICE GRIP ENERGY XZW」の発表を機に、ミシュランは「トラック・バス用タイヤのフルエナジー化計画」というものを打ち出しました。今後ほとんどのセグメントにおいて、低燃費性能を求められるカテゴリーのタイヤに関しては、全サイズを低燃費タイヤシリーズ「ENERGY」に移行するというもので、この計画は3年以内に完了させるといいます。考えてみれば、大昔はタイヤなんて1種類しかなく、それが万能タイヤとして汎用的に使われていたわけですが、それがリブタイヤとスノータイヤに分化し、続いてオールシーズン、アイススタッドレス、バランススタッドレス、省メンテナンスタイヤなどが生まれ、さらにそれぞれに低燃費タイヤが設定される状況になってきたわけで、正直言って、ユーザーも自分に最適なタイヤを選ぶのに困ってしまう状況でもあります。そんな中で、「燃費」「ハンドリング」「乗り心地」「ウェットグリップ」「タイヤライフ」「安全性」「スノーグリップ」「アイスグリップ」「耐偏摩耗」「静粛性」など、タイヤに求められるものを全て満たすことが出来れば、タイヤ選びで困ることはないわけで、「MICHELIN X ICE GRIP ENERGY XZW」は、タイヤの原点に戻って「万能タイヤ」を志向しているタイヤと言えるかもしれません。とはいうものの、タイヤの一番の大前提は安全性なので、その安全性を実地で体験してもらいましょうというのが今回の「ミシュラン・ウインター・エクスペリエンス2012」の主眼なんですね。ハイ、そこで、たっぷりと氷雪路での走行体験をさせていただきました。 (つづく)

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