電子商取引(eコマース)の巨人・アマゾンはインドに3000台のバッテリーEVトラックを導入すると発表した。商用車でインド最大手のタタ・モーターズとのコラボによるもので、タタ「ウルトラ E.7」などを路線便などに投入する予定だ。
非ラストマイル輸送ではアマゾンにとっても過去最大規模の電動化となり、インフラ整備やソリューション開発も支援する。世界最多の人口を誇る巨大市場・インドでトラックの電動化が急加速している。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Amazon.com, Inc.・Tata Motors Limited
アマゾン、インドに3000台のEVトラック
eコマースで世界最大手のアマゾンと、インド最大の自動車メーカー、タタ・モーターズは2026年10月27日、同国に3000台のバッテリーEV(BEV)トラックを導入すると発表した。
これらのトラックは物流施設間や都市間の路線便など、いわゆるミドルマイル輸送に投入される予定だ。インドのeコマース業界でのBEVトラックの導入としては過去最大であり、ラストマイル輸送以外の分野ではアマゾンにとっても最大規模となる。
その第1陣の出発式にはタタやアマゾンの幹部のほか、インドの重工業・鉄鋼大臣、H.D.クマラスワミ氏も出席した。大臣はインド政府による電動モビリティ推進スキームの「PM E-DRIVE」に触れて次のように話した。
「インドは『ヴィクシット・バーラト2047』の実現に向けて、電動モビリティへの移行を加速しています。タタとアマゾンのコラボレーションは、それが実際にどのようなものになるか如実に表しています。すなわち、インド国内で製造するBEVトラックが、全国規模の物流需要を満たすというものです。
政府は PM E-DRIVE を通じて、引き続き移行を支援するとともに、グリーン物流を強化するこうした取り組みがさらに増えることを願っています」。
3000台という台数は、インドが国内に保有するBEVトラックの台数自体にもインパクトを与える規模で、大国インドでの貨物輸送の電動化に向けた大きな一歩となる。
かなりの台数だが、それでもアマゾンの輸送ニーズに合わせたものだといい、約15億人という世界一の人口を誇る同国のeコマース市場は長期的に成長が続くと見込まれている。なお、タタが供給する車両を実際に所有・運行するのは、アマゾンの運送パートナーとなる。
アマゾンによると、インドで稼働しているBEVの台数は15000台ほどで、今回のコラボで一気に増えそう。同社は2040年までに排出量を実質ゼロにするという目標を掲げており、物流部門の電動化が欠かせない。移行を実現するため、アマゾンとしてもインフラやソリューションの開発を支援することにしている。
都市部から高速道路網にBEVトラックの普及を拡大
最初のロールアウトはインドのホリデーシーズンに相当するといい、この時期は物流業界で貨物量がピークに達する繁忙期となる。まずはタタの小型~中型のBEVトラックをミドルマイル輸送に展開し、次のステップでデリー・ベンガルール・チェンナイ路線に拡大する。
NH48号線の2800kmに及ぶこの路線はインドで最長の貨物回廊であり、7つの州と6つの地域を結んでいる。また、専用の充電インフラは、Yahvi社と共同で開発中だという。
インド政府の電動化イニシアチブに加えて、デリー首都圏政府もインセンティブを実施しており、例えば政策の導入から3か月以内に登録された最初の1000台の中型トラックは、都市の「進入禁止時間」をスキップして今後10年間、いつでも市内へ進入できるという。
首都圏政府の運輸大臣を務めるパンカジ・クマール・シン氏は次のように話している。
「デリー市は首都圏全体に強固な充電インフラを構築するなど電動化で国をリードしてきました。とりわけ物流の脱炭素化は、排出削減に加えてデリーの大気汚染を改善する上でも重要なステップです。タタとアマゾン両社の協力は、デリー市民の生活の質を向上するための、模範的な先例となります」。
まず導入されるのはタタの「ウルトラ E.7」トラックとなるようだ。同車は都市部の物流用などに向けて設計されたもので、急速充電機能と回生ブレーキ、先進安全装備を搭載する。
タタはインドにおいてもBEVトラックは実証段階を終え、より広範な普及段階に入りつつあるとしている。特に国内生産により新車価格が下がったことで総保有コストも下がり、多くの運送事業者にとって現実的な提案になっているという。
インドで商用車の電動化が急加速するかもしれない。
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