目玉はエルフEVウォークスルーバン!! いすゞとUDが「人とくるまのテクノロジー展」に初の共同出展

6年前に登場していた「エルフEVウォークスルーバン」

目玉はエルフEVウォークスルーバン!! いすゞとUDが「人とくるまのテクノロジー展」に初の共同出展
2019年の東京モータショーで参考出品されたエルフEVウォークスルーバン

 それから15年の歳月を経て、いすゞは2019年の東京モーターショーでエルフのハイルーフキャブを使った、いわゆるコンバージョンEVとしてウォークスルーを成立させた「エルフEVウォークスルーバン」を発表。同車は2020年からヤマト運輸でモニター稼働を行なった。

 このモニター車の主要諸元は、シャシーはいすゞエルフ NLR85改で、中間幅のハイキャブの短尺車がベース。定員は2名。ホイールベースは2490mm。車両総重量 4970 kg、最大積載量1850 kg、全長/全幅/全高 は5394 / 1887 / 2920 mmである。つまり、運転するには準中型免許が必要なクルマであった。

 ボディは日本フルハーフ製のバンボディで、荷室全長3550 mm、内法幅/内法高1786.8 / 2034.1 mm、床面地上高(ステップ高)は713 mm (398 + 315 mm)となっている。ちなみに荷室の全長はヤマト運輸の「MPバン」と同等だ。

 また、EVのモーターは最大出力110 kW (147hp)、定格出力83 kW (111hp)、最大トルク305 Nm (31kgm)を発揮。バッテリーはAESC製EP400で、バッテリー容量 40 kWh、充電仕様は普通充電 (AC200V) と急速充電 (CHAdeMO ver1.2)に対応していた。

 そのほかの仕様で特徴的なのは、キャブのすぐ後ろに設けられた車両左サイドのスライドドアで、開口幅は871mm、開口高は2115mmもあるビッグなもの。スライドドアには上下に降車時安全確認用の窓も設けられている。さらにドア開閉と連動する足元灯も室内外にあり、夜間や暗い場所での作業に対応していた。

 今回「人とくるまのテクノロジー展」に参考出品される車両は、このブラッシュアップ版と見られ、2023年に登場した新型エルフEVがベースとなっている。

 いすゞ独自の開発手法I-MACSをもとに、標準キャブをベースに専用キャブを開発し、高い荷室高とフラットな荷室空間を実現。高頻度のストップ&デリバリーによるドライバーの負担を軽減し、カーボンニュートラルとラストワンマイル物流の両方に貢献すると謳われている。

いすゞ&UD、そのほかの出品

目玉はエルフEVウォークスルーバン!! いすゞとUDが「人とくるまのテクノロジー展」に初の共同出展
UD「クオン」除雪車も「人とくるま」に共同出展する。UDトラックスは国内メーカーで唯一、除雪用大型総輪駆動車を製造する

 では、いすゞ&UDの「人とくるまのテクノロジー展」のその他の出品を見ていこう。

【重トラクタ用高出力パワートレイン】
重量物輸送を支えるトラクタヘッドのいすゞ「ギガトラクタ」やUDトラックス「クオン」に搭載される直列6気筒ディーゼルエンジン「GH13」と、12段電子制御式オートマチックトランスミッション「ESCOT-Ⅶ」を展示する。低回転域から発揮する高い出力と、素早く滑らかな変速による負担の少ない操作性を組み合わせることで、積荷にもドライバーにもやさしい走行と省燃費を実現。

【CNへの取り組み】
いすゞグループはカーボンニュートラル(CN)実現に向け、マルチパスウェイで技術開発を進めており、各国の使われ方、地域状況、社会動向などユーザーのニーズに合わせた「選べるCN」を届けている。展示では、2030年までに全カテゴリーで展開するxEVのロードマップや各パワートレインを搭載した次世代車両の開発進捗について紹介。未来を見据えた新しい取り組みとして、バッテリーを社会アセットとして活用することを目指したソリューションの提案と、再生可能エネルギーを用いてつくられるCN燃料の拡大についても説明する。

【自動運転技術】
いすゞグループは中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030(IX)」において、自動運転ソリューションを新事業の柱として確立することを掲げており、2027年度から日本・北米を起点に自動運転レベル4のトラック・バス事業を開始することを目指している。展示では、経済産業省と国土交通省が推進する自動運転社会実装プロジェクト「RoAD to the L4」におけるいすゞグループの活動と、NEXCO東日本といすゞが共同開発した、除雪車後方を追従する標識車の自動走行について紹介する。

【コネクテッドサービス】
いすゞは「運ぶ」におけるさまざまな課題を解決するために、これまでに蓄積した膨大な車両データと知見を活用したクラウド型運行管理サービス「MIMAMORI(みまもり)」、高度純正整備「PREISM(プレイズム)」を早期より展開している。展示では、その基となるデータ活用システムの構築について説明する。また、車両の電動化に伴い、ディーゼル車の走行データからBEV化による消費電力量とCO2低減効果を予測できる「EVision」を展開しており、車両販売にとどまらないBEV導入サポートを提案する。

【クオン除雪車(社会貢献、インフラ維持)の紹介】
UDトラックスは、除雪用大型総輪駆動車を製造する国内唯一のメーカーである。除雪専用車、路面凍結防止剤散布兼用車など、多くの架装用途に対応する車種バリエーションを提供し、除雪架装機器メーカーとともに 「豪雪地帯の社会機能を止めない」 を理念に、地域の生活を支えている。展示では4種類の除雪車とそれぞれの特徴、除雪車専用シャシの設計について解説する。

 なお、「人とくるまのテクノロジー展2025」は、5月21日~23日までパシフィコ横浜で開催されるが、7月16日~18日まで「人とくるまのテクノロジー展 2025 NAGOYA」がAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催され、こちらにもいすゞ・UDは共同出展することになっている。

【画像ギャラリー】いすゞの歴代ウォークスルーバンと「人とくるま」のいすゞ・UD共同出展(8枚)画像ギャラリー

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