このたび日野自動車の大型トラック、日野プロフィアFS(6×4)ベースの除雪車にアリソン製トルコン式ATが標準搭載が決まり、2025年1月30日、31日に新潟県上越市で開催された「ゆきみらい2025 in上越」で初公開された。
アリソンのATは、日本では路線バスや特装トラックのほか自衛隊車両や消防車、除雪車といった特殊車両などで採用が進んでいるが、除雪車にATを搭載するメリットとは?
文/フルロード編集部、写真/アリソンジャパン・フルロード編集部
アリソンATで省人化と作業効率向上
このほど「ゆきみらい2025 in上越」で公開されたのは、「アリソン4440」を搭載する日野プロフィアFS・6×4をベースとした除雪車シャシーで、同車としては初めてアリソンの6速ATが標準搭載された。
また2月3には、中部地方の顧客に凍結防止剤散布車仕様の除雪車初号車の納車も行なわれた。
凍結防止剤散布車などの除雪車は、降雪地帯で円滑な交通を確保するため、市民生活上欠かせないものだが、除雪作業には熟練した技能が必要となるため、オペレーターの高齢化や担い手不足への対応が喫緊の課題となっている。
いっぽうで、通常、除雪作業は運転オペレーター1名と除雪機器を操作する助手1名の2名構成が基本だが、トルコン式AT車では忙しいギアチェンジが不要となり、運転オペレーターが1人でスノウプラウの操作と同時に凍結防止剤の散布作業ができるため、省人化等に貢献することができる。
また、トルクコンバーターによりトラクションをかけすぎないような滑らかな走り出しができるいっぽう、発進時のトルク増幅効果により雪路や泥濘地といった悪路でも、パワフルな発進性能を実現する。
特に、除雪作業中に大きな負荷が車両側にかかった際には、発進時や変速時にエンジンが止まってしまったりクラッチが摩耗したりする危険性があるが、流体クラッチのアリソンATであればその危険性も低減することができる。
さらには、プラネタリーギアにより間断なく動力を伝達し、トルク抜けすることなくスムーズな変速ができるため、ドライバー業務のストレス低減にも貢献する。
今回のATの標準搭載に際し、日野自動車の国内営業部お客様担当室、特装営業グループ係長三枝慶一氏は、
「6X4の除雪車にアリソンATが標準搭載されることになり、大変期待をしています。アリソンATによって、オペレーターにイージードライブを提供できるだけでなく、省人化、効率化を通じ持続可能な除雪体制の維持に貢献できると考えています。2月3日に中部地方のお客様に初号車を納車して参りましたが、早速その真価を体験していただけると思います。」と述べている。
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