三菱重工グループは中小型トラック用の新型電動式冷凍ユニット「TEJ35GAM」を9月13日より発売開始した。これまでの冷凍機とは何が違うのか? その概要をまとめた。
文/フルロード編集部、写真/三菱重工グループ・フルロード編集部
プラグインハイブリッドとヒートポンプシステムを搭載した「TEJ35GAM」
このほど三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズは、中小型トラック用の電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35GAM」を、国内総販売会社である菱重コールドチェーンを通じて販売開始した。
TEJ35GAMは、プラグインハイブリッドシステムを採用し2019年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」と2021年度日本冷凍空調学会「技術賞」を受賞した「TE20・30シリーズ」(2018年発売)や、今年(2023年)4月から発売したEVトラック専用のヒートポンプ加温機能付き電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」に続くラインナップで、両者の特徴であるプラグインハイブリッドシステムとヒートポンプシステムを搭載した冷凍機である。
TEJ35GAMのプラグインハイブリッドシステムは、商用電源(プラグイン電源)と冷凍機専用発電機を併用し、走行・停止など車両の状態に合わせ、プラグイン充電、走行充電とバッテリー運転の自動切り替えを行なうシステム。
また、冷凍機のバッテリー残量や庫内温度に応じて3つのモード(パワーセーブ、高効率、ハイパワー)も自動で切り替わるようになっている。
駐停車中やアイドリングストップ中にも冷凍機の運転が続けられるため、配送ドライバーは冷凍機の操作を行なう必要がなく運転・配送に集中でき、高い水準の品温管理が可能となるシステムだ。
いっぽう、ヒートポンプシステムは大気中の熱を利用して加温運転を行なうもので、荷物の量や中身に応じて適切な温度を複数設定できるマルチシステムの採用により、従来のホットガス式加温ではできなかった冷却・加温の2室同時運転を可能とするもの。
夏場は2室とも冷却運転、冬場は2室ともヒートポンプ式の強力な加温運転、春・秋は1室を冷却、1室を加温で同時運転することで年間を通じて安定した温度維持を実現し、加温機能を使用しない夏を除いた秋・冬・春の長い期間でヒートポンプ式加温の高いCOP(※)で高効率に運転できるという。
※COP(Coefficient of Performance)とは、定格条件において算出されたエネルギー消費効率を表す成績係数で、値が大きいほど省エネ性に優れる。COP=定格冷凍能力(kW)÷消費電力(kW)
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