既製品に後付け可能！　NECとNXがフォークリフトの自律・遠隔制御を可能とする国内初のソリューションを共同開発

自立遠隔搬送ソリューションの特徴

　両社が共同開発したフォークリフトの自立遠隔搬送ソリューションの特徴は次の通りだ。

安全かつ高効率な自律制御による入出庫作業の自動化

　これまで人が行なっていた搬送ルート設定を、物流倉庫内の映像データをもとにシミュレーションを行ない自動設計することでソリューションの導入期間を短縮する。

　また自律制御時には、フォークリフトに搭載したカメラやLiDARなどのセンサーでセンシングした周辺の状況をもとにリアルタイムにルートの見直しを行ない、環境の変化にも柔軟に対応する。

　さらに、NECが開発した「リスクセンシティブ確率制御技術」を活用することで、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握し、状況に応じてフォークリフトの速度を制限速度内で自動調整する。これにより、安全を確保しつつ生産性改善にも貢献する。

複数台のフォークリフトを遠隔から管理・操作可能

　全てのフォークリフトのカメラ映像やセンサー情報をクラウドに集約し分析・制御することで、複数拠点にある複数台のフォークリフトを倉庫外からも管理・操作することが可能となる。これにより、労働力の集約と1人あたりの作業効率の向上に貢献し、安全で快適な労働環境を提供する。

既製のフォークリフトを活用可能

　既製のフォークリフトに、レバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラやLiDARなどのセンサーを後付けすることで自律遠隔制御対応を実現する。倉庫にカメラやセンサーなどの追加設置が不要なため、事業者が既に保有しているフォークリフトを有効活用することで早期導入が可能。

　また、物量や需要に応じて作業内容を変更できるよう、自律制御、遠隔操縦、搭乗操作を簡単に切り替えることができる。

　フォークリフトを使った荷役作業をトラックドライバーに無償で行なわせている現場も多く、長時間労働や低賃金の一因となっているほか、安全性にも問題がある。NECとNXHDのソリューションが2024年問題の緩和に資することを期待したい。