電動エコシステム
ダイムラートラックは、グローバルプラットフォーム戦略の一環として、完全電動トラックの基本アーキテクチャをグローバルに統一した「eパワートレーン」を採用する。
これが最初に導入されたのは「メルセデス・ベンツ」ブランドの「eアクトロス」で2021年のことだった。その後(今年)、同ブランドの「eエコニック」に採用され、「フレイトライナー」ブランドのeカスケイディアがそれに続く格好だ。
同車の「eパワートレーン」はダイムラートラックグループに属するデトロイト(米国)が製造しており、電動化に際してコンポーネントを外部から調達するメーカーが多い中、グループで内製している。
eカスケイディアはモーター・トランスミッションなどを組み込んだ電動アクスルで駆動する。モーターのオプションは、デュアルモーターとシングルモーターの2つで、前者は470hp、後者は320hpを発揮する。
バッテリーオプションは3つで、容量が大きければ航続距離は伸びるが、満充電にかかる時間も長くなる。充電時間は、容量194kWのバッテリーで1.5~3時間、291kWバッテリーで2~4時間、438kWバッテリーだと2~6時間となっている。
連結総重量は8万2000ポンド(約37トン)で、米国のトラック区分で最も重い「クラス8」の大型トラクタだ。
いっぽうで、電動トラックは「電動エコシステム」(生態系)の一部に過ぎない。電動トラックをフリートに組み入れようとしている事業者が考慮しなければならないことは多いが、少なくとも信頼性が高く効率的な電力供給が可能な充電器を必要とする。
デトロイトブランドの「eコンサルティング」はフリートの電動化を容易にするための顧客重視のソリューションだ。
専門のコンサルティングチームが、必要なインフラの整備計画を手助けするとともに、シームレスかつ効率的な充電ソリューションとしてデトロイトの「eフィル・チャージャー」を提供する。
ダイムラートラックは世界トップメーカーの規模を生かし、エコシステム全体の電動化を目指している。今後の日本での展開にも期待したい。
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