おもり2トンはなぜ必要? 海コンシャシーに秘められたムダなようでムダではないカウンターウエイトの謎【トラックのトリビア】

おもりをなくす方法はあるのか?

 「2tのおもり」をなくして、フル積載・法令順守・サイズ抑制の三つが両立できれば…と誰しも思うことでしょう。

 例えば、花見台自動車が開発したコンテナシャシー「HCシリーズ」は、グースネック(トラクタヘッドと重なる部分)のフレーム形状を、独特の幅広デザイン(同社は「コブラネック」と呼ぶ)とし、連結全長の短縮化と2軸化を実現させたものがあります。

 また、欧州のフル積載20ft海コン3軸シャシー(関連法規は異なるが、やはり軸重制限がある)は、エアサス(装着車がほとんど)の車高調整機能を利用することで、セミトラクタへ軸重を寄せる例がみられます。

いっぽうでトレンドの変化も

 もっとも日本国内では、耐久信頼性や導入コスト・維持コストの面から、機械的要素の少ないリーフサスを用いた、ごくシンプルなシャシーが好まれているので、「おもり搭載」がベストなソリューションであるのも確かです。

 さらに、より大きな40ft海コンが増えた結果、いまでは40ft海コンシャシーが主流となりました。その中には、20ft海コンの積載も兼用できるタイプもあり、保有車両を合理化したいユーザーに支持されています。

 そして近年では、20ft、40ftに加えて、新しい規格である45ft海コンの積載も兼用できるシャシー(欧州製の伸縮フレーム付エアサス装着車)が、少しずつ増えてきました。

 このように、海コンシャシーに対するニーズが変わりつつあることも事実で、今後は「おもり付き」フル積載20ft海コン3軸シャシーの姿が減っていくのかもしれません。

【画像ギャラリー】2tの鉄のカタマリを搭載して走る海コンシャシーと最新の海コンシャシーをチェック!!(6枚)画像ギャラリー

最新号

ナニワの海コンお姉さんが赤裸々に描く問題作!! 君知るや女子の気苦労

ナニワの海コンお姉さんが赤裸々に描く問題作!! 君知るや女子の気苦労

ナニワの海コンお姉さんを自称するゆでさん。今では 同じ海コン仲間の男性ドライバーと、時には丁々発止と渡り合い、時には和気あいあいと語り合う立派な海コンドライバーに……。そんなゆでさんにも人知れず嘆かざるを得ない女子の気苦労がありました。