ラリーレイドの世界最高峰イベント「ダカールラリー2026」が1月3日~17日にかけてサウジアラビアで開催された。
日本から唯一、トラッククラスに参戦を続ける日野チームスガワラのHINO600シリーズは、トラッククラス総合15位でゴール。日野自動車としての連続完走記録を35回に伸ばした。
2月25日には、凱旋帰国した日野チームスガワラのメンバーによる「ダカールラリー2026参戦報告会」を日野本社で開催。参戦メンバーらはスポンサーや関係者の前で今大会を振り返った。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/日野自動車・ASO
熟成の域に達した参戦車両とチーム体制で挑んだダカールラリー2026
今大会へ日野自動車は、引き続き菅原照仁が率いる日本レーシングマネージメント(JRM)とタッグを組み、日野チームスガワラとして参戦した。
乗員メンバーは、今年で7年目を迎えたドライバー・菅原照仁、ナビゲーター・染宮弘和(ラリーストリーム代表)、乗車メカニック・望月裕司(日野自動車)組。
いっぽうメカニックは、ダカールの大ベテランである鈴木誠一(JRM)がメカニック兼アドバイザーを務め、メカニックリーダーとして良川幸司(JRM)が日野自動車販売会社から派遣されたメカニック、菊地拓実(広島日野自動車)、田澤正和(西東北日野自動車)、今川博貴(南関東日野自動車)とともに参加した。
また、チーム体制とともに熟成の域にある参戦車「HINO600」は今大会に向け、ターボの排気流路を見直したことでエンジンの最高出力・最大トルクの増強を図ったほか、悪路走破性と乗り心地向上を狙いサスペンションのセッティングも変更。さらに耐久性や信頼性の向上を図る改良を実施している。
こうした改良などが功を奏し、ダカールラリー2026の前半戦まで日野チームはほぼノートラブル。前半戦を上位入賞も視野に入るトラッククラス総合8位のポジションで終えた。
しかし、後半戦を迎えると、マラソンステージ(1/14)での転倒に始まり、インカム故障・修復したボディ側面のパネルの脱落(1/15)、トランスファのブロー(1/16)などトラブルが頻発。
日野チームは総合力を結集しトラブルを克服するも、最終的にトラッククラス総合15位でのゴールとなった。いっぽう1991年の初参戦以来続く連続完走記録は今大会で35回に伸ばすことに成功した。
2月25日の報告会では、菅原照仁氏と染宮弘和氏が悔しい大会となった2週間のラリーを振り返ったほか、各メンバーがサウジアラビアで撮影した写真を見ながら、レース期間中の体験談が語られた。
以下、日野チームスガワラメンバーのコメントを紹介していこう。
販売会社選抜メカニックのコメント
■メカニック 西東北日野自動車 田澤正和(たざわ まさかず)
前半はトラブルもなく順調に折り返すことができましたが、後半は転倒や車両トラブルが発生して体力的・精神的に厳しい場面もありました。そんな中でもチームで支え合い、35回連続完走をすることができました。応援ありがとうございました。
販売会社へ帰任後はこの経験を生かして自分自身日々精進することはもちろん、若いメカニックの教育、さらにメカニックの垣根を超えて挑戦する気持ちを伝えていきたいです。
今後選抜されるメカニックの皆さんへ、ダカール・ラリー販売会社選抜メカニックのバトンはしっかりつなげたので次回も必ず完走を! 一緒に日野ブランドを盛り上げていきましょう。
■メカニック 南関東日野自動車 今川博貴(いまがわ ひろき)
ダカールは一筋縄ではいかないと実感しました。前半は順調でしたが、後半に畳みかけるようにトラブルが重なり、終夜整備も増え、気づけば完走していました。チーム全員でゴールまで車両を運べて良かったです。
販売会社に戻り、レース活動の楽しさ、厳しさの先にある達成感など、学んだことを多くの人に伝え、次のメカニックにバトンを渡したいと思います。
この経験と知識は普段得られない貴重なものです。車両製作からレースまで携わり、市販車と異なる競技車両ならではの部分も学びつつ、日々新しいことに挑戦し、有意義な時間を過ごせます。自分たちの製作した車両が走る姿を最初に見たときは感動的でした。活動の集大成となる2週間、共に戦った仲間は一生の宝物です。多くの人に活動へ挑戦してほしいです。
■メカニック 広島日野自動車 菊池拓実(きくち たくみ)
前半は順調でしたが、後半はトラブルが続くというダカールらしい過酷さを味わいました。連日の長時間にわたる整備で仲間との絆も深まり、完走した時の喜びは格別でした。2週間の大冒険はあっという間でした。
車両製作やレース中などの場面で、今までになかった技術的な学びがありました。販売会社に戻ってその学びを生かしながら、自分以外の仲間にも伝えていきたいです。
ダカールは生涯忘れられない貴重な経験です。日野の販売会社で整備している方には参加するチャンスがあります。世界を舞台に大冒険したい、もっと技術的にも精神的にも成長したいと考えている方にはぜひ実際の現場で体験してほしいです。




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