寿命を半分残したタイヤが廃棄される。コスト面でも環境面でも残念な現実が、日本で起きている。
リグルーブへの理解が進まず、まだ使えるフォークリフト向けソリッドタイヤが廃棄されるケースが多いことから、日本ミシュランタイヤがソリッドタイヤのリグルーブについて理解を促進するため、トレーニングやデモを強化する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
画像/日本ミシュランタイヤ株式会社
ミシュラン、日本でフォークリフト用ソリッドタイヤの「リグルーブ」を本格推進
フランスのタイヤメーカー・ミシュランの日本法人である日本ミシュランタイヤは2026年2月12日、フォークリフト向けソリッドタイヤ「Solideal」のリグルーブによる寿命延長を、日本で本格推進すると発表した。
リグルーブは、すり減ってきたタイヤのゴムに再び溝を掘り、トレッドパターンの深さを復元する技術のことだ。また、ソリッドタイヤは空気を充填する代わりに中までゴムが詰まったタイヤを指し、フォークリフトや建機などの特殊車両に使用されている。
リグルーブへの理解がなかなか進まない日本では現在、タイヤ寿命の約50%を残したまま廃棄されるケースが多いことから、ミシュランはトレーニングやデモを通じて適切なリグルーブの理解促進を強化する。
「すべてを持続可能に」という企業ビジョンを掲げる同社は、「人」「利益」「地球」の三方良しを目指す重要な取り組みの一つとして、トラック&バス用タイヤのリグルーブ/リトレッドを推進している。
これらの商用車タイヤは最初からリグルーブ/リトレッドを前提に設計されているが、同社によるとフォークリフト用タイヤの多くは摩耗によりトレッドパターンが消えてしまうと廃棄されているそうだ。
環境意識の高い欧州ではタイヤを再生するためにリグルーブが一般的に行なわれており、日本でもフォークリフト用ソリッドタイヤのリグルーブの有益性に関して理解を深めるため、トレーニングやデモに注力して行くことにした。
環境負荷低減と安全性・収益性向上を両立
本来まだ利用できるタイヤが廃棄されている状況はユーザーにとっても損失となっており、タイヤの再生は環境負荷低減のほかに、安全性向上・収益性向上など、顧客に新たな価値を提供する技術だ。
ミシュランはリグルーブで得られる主なメリットとして、次の3つを掲げており、環境インパクト低減のための「5つの柱」に入る重要な取り組みとしている。
1.安全性向上:溝を再生することでトラクションや排水性が向上
2.収益性向上:タイヤの再利用により新品交換の頻度が減り、コスト削減につながる
3.環境負荷の低減:廃棄タイヤ排出周期が延長され、廃棄タイヤ本数削減による環境への負荷を軽減
リグルーブを前提として設計されたミシュランのタイヤは、新品時の溝が消えてもタイヤ寿命は約50%が残存し、外観等に異常がない場合、訓練を受けた作業者が専用工具でリグルーブすることが可能。
推奨する1回の溝の深さは最大15mmで、60J(SAFETY LINE)より上にゴムが残っている場合は、複数回のリグルーブも可能だという。
また、今後は要望に応じてミシュラン社員がリグルーブのトレーニングやデモを行ない、トレーニングを受けた運送会社などの作業員が自らリグルーブを実施できる体制を構築することにしている。
【画像ギャラリー】ミシュランのフォークリフト用ソリッドタイヤとリグルーブ(6枚)画像ギャラリー








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