いすゞ自動車は11月27日、中型トラック「フォワード」の改良モデルを発売した。主にADAS(先進運転支援システム)の機能拡充を図るとともに、5.2リッターエンジンのトルク性能を向上、さらに低馬力車用パワートレーンとして、新たに3.0リッターエンジンと9段DCTを採用した。なお、UDトラックスのブランドおよび販売網で取り扱う「コンドル」も同時に改良モデルを発売した。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車、UDトラックス
画像加工/フルロード編集部
ADASの機能がさらに進化
今回の改良は、現行型フォワード/UDコンドルが2023~24年にフルモデルチェンジして以来初となるもの。まずは、標準装備またはパッケージオプションとなるADASの機能拡充からチェックしよう。
全車標準装備の衝突回避支援/衝突被害軽減ブレーキ(プリクラッシュブレーキ:PCB)には、車速5~20km/hでの右左折時における「対向歩行者(歩速5km/h以上)検知機能」を追加した。ミリ波レーダーとカメラによるセンサーフュージョンを活用したもので、衝突の可能性が高い場合はPCBの自動ブレーキを作動させる。
新たに全車標準装備となるのが「左折巻き込みブレーキ機能」で、車速5~20km/hでの左折時(左ウインカー操作時)に、BSM(ブラインドスポットモニター)が左側方を並走する自転車を検知した場合、自動ブレーキを作動させる機能である。こちらはBSMのミリ波レーダーでセンシングする。
また、最上級パッケージオプション(PREMIUMパッケージ)でセットになる車線維持支援(レーンキープアシスト:LKA)には、「側方衝突抑制機能」を新たに実装。これは車速60~90km/hで車線変更の操作(ウインカー操作かつ車線接近)を行なった際、隣接する車線内に自動車や二輪車(検知対象車速25~120km/h)の存在をBSMで検知すると、LKAが介入して現在の車線内へ進路を戻す機能である。
マニュアル車(対象:4HK1エンジン/DB6Aエンジン搭載のADVANCEパッケージ装着車)では、高速道路や自動車専用道での使用を前提とした「車間距離クルーズ」(前走車との車間距離を維持するクルーズコントロール機能)が盛り込まれた。作動条件はエンジンや車型によって異なっており、車両総重量7.5~8トン系は30~120km/h、同11~22トン系は30~90km/hを作動車速とし、4HK1エンジンの場合は4速以上のギアに入っていることが条件となる。
このほか、テールランプには新デザインのLEDリアコンビネーションランプを採用した(ダンプ/塵芥車/ミキサなど特装シャシーを除く)。
なお、ADASの機能拡充に伴って全車価格をアップしており、パッケージオプション価格も改定している。


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