9月10日〜12日に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2025」。京都の塚腰運送からは、平ボディのアオリからの転落事故を減らすのに役立つユニークなアイテムが出品された。今秋発売予定の「アオリステッパー」とは?
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
平ボディのアオリ天板の幅を約2倍に広げる
運送業界で起こる死傷事故で最も多いのは「墜落・転落」とされる。厚労省が発行する荷役作業ガイドラインでは「荷台のアオリに乗っての作業は避けるように」とあるが、実際はアオリに乗らないとできない作業があるのも事実だ。
アオリの天板は幅約4cmで、その上に乗っての作業は非常に危険。しかし、乗らないとできない作業がある。なら幅を広げたらいいなじゃないか? と考えて塚腰運送が開発したのが平車荷台用折畳式足場「アオリステッパー」である。
もともと同社は平ボディユーザーで、自社のドライバーの安全のため足場を開発。何度も改良を重ねた結果、現場のドライバーから「これなら使える!」とお墨付きをもらうところまで完成度が高まったことから、他社のドライバーにも使ってもらえるよう市販化することにしたという。
アオリ天板の幅を広げるアイテム自体は市販されていたが、それらは付けたまま走行できないため、使い勝手が良くなかった。いっぽう、アオリステッパーは取り付けたままで車検取得可能という点が魅力だ。
使い方はシンプルで、コの字型の取付台座にマウントされた折畳式の足場を使用時に展開するだけで足場の幅を約2倍に広げることができる。本体はアルミ製で、ヒンジなどはステンレス製。足場は樹脂製で、滑り止め加工が施される。
ちなみに市販化するアオリステッパーは改良を重ねた第3世代。第2世代と比べ、取付台座の構造などを見直したことで強度アップを図ったそうで、同社が行なったテストでは宙に浮いたほうに600kgの荷重をかけても問題なかったという。
販売方法は、架装メーカーの純正パーツとしての展開を模索している。すでに複数のメーカーと協議しているということなので、今後の動向に注目だ。
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