追浜工場など国内外で工場の生産中止を発表している日産自動車だが、英国最大のギガファクトリーとなっているサンダーランド工場に、大型EVトラック用の充電ステーションが完成した。
サプライチェーンの脱炭素化には英国政府の資金も活用され、電気自動車の新型「リーフ」などを製造する同工場では、電動化を通じて雇用の維持を図っている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/日産自動車
日産が英国工場にトラック充電ステーション
日産自動車は英国のサンダーランド工場にバッテリーEV(BEV)トラック用の充電ステーションを建設した。運送パートナーの郵船ロジスティクス、ファーガソンズ、BCAと共同で行なったもので、英国自動車業界では初めての取り組みだという。
英国最大のギガファクトリーとなっているサンダーランド工場に設置されたトラック充電ステーションにより、日産のサプライチェーン(供給網)からのCO2排出量は年間で1500トン減る見込みだ。
トラック充電ステーションの整備は日産の工場への輸送から完成車の出荷まで電動化を支援するプロジェクトの一部で、民間施設内のオンサイト充電ステーションをシェアする取り組みは、英国ではこれまで行なわれたことがなかった。
工場には7つの充電ステーションが整備され、最大で10台のBEV大型トラックに同時に電力を供給できる。これは、電気自動車、再生可能エネルギー、バッテリー製造を組み合わせて持続可能な製造業を目指すという、日産および同社サンダーランド工場が掲げる「EV36Zero」ビジョンを補完するものになる。
アフリカ、中東、インド、ヨーロッパ、オセアニアの38億人・140市場を担当地域とする日産AMIEOのサプライチェーン担当副社長、マイケル・シンプソン氏は次のように話している。
「私たちの工場がサプライチェーンの電動化を先導できることは、素晴らしいことです。充電ステーションを実現するにあたりパートナー各社から頂いたサポートを歓迎するとともに、このように達成できたことを誇りに思っています。
この見事な充電ステーションは、電気自動車と、炭素に依存しないエネルギー、そしてバッテリーの製造を融合させる日産の『EV36Zero』ビジョン実現に向けた大きな前進となります」。
英国政府も資金提供し工場の雇用を維持
日産サンダーランド工場のサプライチェーンには、英国内だけで60台のBEV大型トラックが使用されており、充電ステーションがその稼働を支える。
これは工場のサプライチェーン電動化に向けた取り組みの始まりに過ぎないといい、シンプソン氏は「他の運送会社に充電ステーションを開放するなど、その潜在能力を最大限に引き出すための機会を模索しています」と付け加えた。
当初、このステーションを利用するのは25台のトラックで、最大360kWでの充電に対応する。これらのトラックはダービーなど英国内の拠点から部品を供給するほか、タイン港との間で完成車の輸送も担う。
年間走行距離の合計は約240万kmとなる見込みで、これを完全に電動化するのでサプライチェーンからのCO2排出削減量は年間で約1500トンとなる計算だ。
プロジェクトには日産、ファーガソンズ、郵船ロジ、BCAが協力している。BEV大型トラックと高出力の充電インフラの導入を通じて持続可能な貨物輸送を実現する「エレクトリック・フレートウェイ」コンソーシアムの一環だといい、このコンソーシアムは英国政府からも資金提供を受けている。
英国運輸省の「道路の未来」担当政務次官、リリアン・グリーンウッド氏は次のように話している。
「私たちは道路貨物輸送セクターと緊密に連携しており、輸送による排出削減に取り組んでいます。排出ガスを出さない大型トラックには合計2億ポンド(約400億円)を投じて電動化を推進しています。
日産が私たちのスキームを活用して工場の雇用を維持し、政府の資金が実際にここで働く人々に渡っているのを見るのは素晴らしいことです。これらすべては変革をもたらすための、私たちのプランの一部です」。
【画像ギャラリー】日産・サンダーランド工場のトラック充電ステーション(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方