建設用の特装トラックもバッテリーEVに! ダイムラーが建設業界向けのソリューションを披露 【バウマ2025】

建設用の特装トラックもバッテリーEVに! ダイムラーが建設業界向けのソリューションを披露 【バウマ2025】

 ダイムラー・グループは4月にミュンヘンで開催される建設業界向けトレードショー「バウマ2025」で建設用バッテリーEV大型トラック「eアロクス400」を世界初公開する。

 また、三菱ふそうの新型「eキャンター」ダンプ架装やメルセデス・ベンツ・トラックスの重量物輸送用トラック「アロクスSLT」など、建設業界向けの様々なソリューションを展示する予定だ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Daimler Truck AG

建設業界向けのBEVトラック「eアロクス」を世界初公開

建設用の特装トラックもバッテリーEVに! ダイムラーが建設業界向けのソリューションを披露 【バウマ2025】
「eアロクス」のティーザー画像。詳細はバウマ2025で発表される

 建設現場のオフロード環境から、そうした現場への資材輸送や仮設インフラの構築、都市部の複雑な交通状況まで、建築業界向けのトラックほど要求の多い車両はほとんどない。

 特に堅牢性、信頼性、効率性、安全性については非常に高い基準を満たす必要があり、さらに脱炭素化にむけた未来志向の技術まで求められている。

 ダイムラーグループは4月にドイツ・ミュンヘンで開催される建設業界向けの見本市「バウマ2025」に参加し、同社が取り組んでいる革新的なソリューションを披露する。

 ダイムラーは世界最大級の商用車グループで、自社ブースと車体メーカーの出展を合わせると、傘下の「メルセデス・ベンツ」ブランドだけで40台以上のトラックが展示される予定だ。

 ディーゼル車からバッテリーEV(BEV)まで、建設業界のほぼ全てのセグメントをカバーし、建設用の新型BEVトラック「eアロクス400」を世界初公開することにしている。

 メルセデス・ベンツの「アロクス」ディーゼル車は、オンロードとオフロードの両方でパフォーマンスと堅牢性を発揮し、長年にわたり建設輸送を支えてきた車両だ。同社のBEVポートフォリオはアロクスにも拡大する。eアロクスの詳細はバウマで明かされる予定だ。

 他に100台限定の特別モデルとなる「アロクス・エクステント」なども出展するという。

過酷な作業も簡単に

建設用の特装トラックもバッテリーEVに! ダイムラーが建設業界向けのソリューションを披露 【バウマ2025】
大型トラック「アクトロス」の重量物輸送モデル

 ディーゼル版のアロクスと大型トラックの「アクトロス」には切替可能な油圧式前輪駆動システム「HAD(Hydraulic Auxiliary Drive=油圧補助駆動)」が搭載可能だ。

 HADは時速30km/h以下で作動し、勾配等の条件により追加で必要とされるトラクションをもたらすものだ。従来の全輪駆動と比較すると、燃料消費を削減し、重量も軽くなる。過酷な作業を簡単に行なうためのシステムだという。

 建設現場の厳しい条件の向けたもう一つの機能が流体カップリングだ。油圧式の始動クラッチとリターダを組み合わせることで、高負荷時や極低速走行時に(クラッチを)摩耗することなく、スムーズで正確な操作が可能になる。また、高性能エンジンブレーキと組み合わせることでターボリターダクラッチは最大750kWの制動力と3000Nmの制動トルクを発生するが、この場合も摩耗は全く発生しない。

 いっぽう、超重量物の運搬用にメルセデス・ベンツ・トラックスは「アロクスSLT」を提供しており、国産トラックでは困難な日本国内の超重量物輸送の現場でもアロクスSLTが活躍している。

 アロクスに対してシャシー、サスペンション、フレーム構造などを強化した同車は、強力なディーゼルエンジン(OM471型またはOM473型)を搭載し、車両総重量500トンまでの荷物をけん引することができる。なお、4ベローズエアサスペンションとトレーラカップリングを備えたバージョンなら、オプションで1000トンまでのけん引が可能だという。

 建設現場では機動力と汎用性に優れた中型トラックも活躍する。メルセデス・ベンツ「アテーゴ」中型トラックでも最新の安全支援システムが利用可能になった。

 さらに、オフロード車の代名詞となっているウニモグの多目的作業車(U219~U535)、および高機動型(U4023/U5023)、特装シャシーのエコニック/eエコニック、オフロード大型トラックの「ゼトロス」など、同社は建設現場向けのソリューションを多数展開している。

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