いすゞ自動車と三菱重工サーマルシステムズは、エルフEVの電動冷凍冷蔵車が、省エネ大賞を受賞したと発表した。同車は年間平均エネルギー消費を従来比で21.3%削減し、省エネを実現した電動冷凍冷蔵車であるが、その特徴とは?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車、三菱重工サーマルシステムズ、フルロード編集部
省エネ大賞を受賞した「エルフEV+TEJ35AM」の詳細
このほど「2024年度省エネ大賞」(一般財団法人 省エネルギーセンター主催)が発表され、いすゞ自動車の電気小型トラック「エルフEV」に三菱重工サーマルシステムズの電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」組み合わせた電動冷凍冷蔵車が、製品・ビジネスモデル部門輸送分野において「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した。
同・省エネ大賞は、省エネルギーに関する優れた取り組み、あるいは省エネ性に優れた製品ならびにビジネスモデルを表彰するもので、受賞した「エルフEV+TEJ35AM」は省エネ、環境負荷の低減、商品の温度管理向上とユーザーの作業負荷低減を実現したことが評価された。
現在、食品などの温度管理が必要な商品の輸送において、冷凍冷蔵車は幅広く使用され、特にコンビニ業界などがより高い環境負荷低減を目指していることから、いすゞは三菱重工サーマルシステムズと共同で省エネ型の電動冷凍冷蔵車を開発。
同車は、電気小型トラック(BEV)「エルフEV」と、その駆動用バッテリーを電源として共有する電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」からなる電動冷凍冷蔵車で、遠隔監視を含むトラックの効率的な運用を可能とするコネクテッドソリューションを備えている。
その主な特徴は以下の通りだ。
- エルフEVとTEJ35AMの協調制御による、荷室の温度管理を優先する電力制御
- エルフEVおよびTEJ35AMによる運行中のCO2排出量削減
- TEJ35AMのヒートポンプ冷凍サイクル採用による高効率化
- エルフEV、運用状態の遠隔監視による高効率な運行
「エルフEV+TEJ35AM」はこれらの技術を採用することで、荷室温度を目標温度に維持しつつ、従来の冷凍冷蔵車(ディーゼル車)に比べ、年間平均エネルギー消費を21.3%、年間平均CO2排出量を46.1%、年間エネルギー費用を42.2%それぞれ削減(※)し、脱炭素推進、エネルギー費用削減に寄与する電動冷凍冷蔵車となっている。
※いすゞと三菱重工サーマルシステムズが仮定する配送想定条件におけるシミュレーション結果。走行前の充電によるエネルギーと回生エネルギーを含む。また、エネルギー消費およびCO2排出量は一次エネルギー換算での数値
【画像ギャラリー】エルフEVの電動冷凍冷蔵車をギャラリーでチェック(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方