タイヤレスキューの現場報告は「軸力の確保とインジケーター」について
ホイールボルトの折損等の車輪脱輪事故は平成15年4月以降、令和2年3月までに794件発生しており、平成23年まで一度は減少傾向でしたが、また増加傾向にあります。脱輪事故で多いのは左の後輪なんですね。ナットが緩む要因は負荷と振動ですが、左側に集中しているのは路面の傾斜によるもの。左側通行の場合、雨水の排水等のために、わずかですが左側が低くなるような傾斜が道路につけられています。それにより車両の左のほうが負荷が大きくなるんですね。走行中の路面からの振動がボルトナットの緩む要因ですが、左リアが多いのは右折時よりもよじれる角度がキツいためと推測されます。この脱輪事故の撲滅をめざし、業界ではさまざまな取り組みを行なっていますが、そんな中、ナットの緩みを目視でも確認できる「連結式ナット回転指示インジケーター」なるものが登場しました。これは隣り合うナットを連結する樹脂製の市販部品で、緩みに伴う変形により目視でナットの緩みが確認できるんですね。このインジケーター、昨年の10月より期間限定で無料で装着・展開を始めていますが、まだまだ知らない人が多いと思います。今号のタイヤレスキューの現場報告では、タイヤ屋・ハマダユキオさんがこのインジケーターについて詳しく解説するとともに、正しい軸力の確保についてもやさしくレクチャーします。
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