追想記(並走車18)
前回、私が一般道で並走された経験があまりないと書いたのは、釣られてくる車の並走であって、二車線道路での自然な形での並走のことではありません。言葉足らずの部分があったので訂正しておきます。
一般道での並走車で困るのは、何と言ってもハンドルが切れないということではないでしょうか。横に張り付いた車がいると、前方で飛び出しがあった場合、ブレーキを踏むだけしか回避動作が取れない。これでは、トラック運転手としては危険極まりない状況に追い込まれます。トラックのブレーキは残念ながら、荷物を積んでいると効きが悪いのは常識です。
まして昼間の一般道は、信号、バイク、自転車、歩行者、また脇道や路地からの不用意な飛び出しなどがあります。また、急な車線変更をしてくる車もあります。そのような動きに対応する時、真横を並走している車は邪魔で仕方がありません。
そして、真横にいる車、特に乗用車はこちらが挙げたウインカーには、気が付かない場合が多いのが現状でしょう。危なくて仕方ない。それが一般道での並走です。もう、こんなことは書かなくてもトラックドライバーの方は良くご存じの、いえいえ、毎日のように体感していることです。
私自身、ブレーキが間に合わない状況の時、何度、ハンドル捌きだけで危険回避ができたか思い出しただけでキリがありません。それが、全くできなくなるのです。しかし、これは釣られてくる並走車というわけではなく、二車線道路での自然な形の並走であり、トラックの横を走ることの危険を知らない素人の方々です。
一般論として、自動車教習所や試験場講習などで教えるのは、ハンドルさばきで危険回避するよりも、まずはブレーキと教えるはずです。しかし、トラックの場合、それはブレーキかハンドルかの危険回避の場合の選択において、現実的ではないのは経験のあるトラックドライバーは多いと思います。その割合は、五分五分ではないかと私は思っています。どちらにしても、その判断する時は、咄嗟の判断でありより安全な方を瞬時に判断していると思います。
日常茶飯事にある例として、見通しの悪い高速やモノレールの橋脚の下などから、フロントの部分を少しだけ覗かせて様子を見る乗用車。そのチョコっと出した部分が、トラックの幅では当たってしまう。それが、直前であった場合、ブレーキではなくハンドルで避けるしかありません。その時、横に並走車がいたら……。考えるまでもありません。
しかし、この場合でも一義的にはブレーキを考えるのが当たり前でしょう。咄嗟の判断でもそれはしているはずなのです。ですが、慌ててハンドルを切る場合もあるのは当然です。人間の判断が全て正確とは言えないからです。
並走運転の怖さを、もっと公安委員会や司法にも知ってもらい、一般ドライバーの教育の一環として欲しいものです。
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ブログをしばらく休んでいましたが、アメーバの無料サイトでブログを再開しました。
追想記ではありませんが、子供の頃のことを思い出す出来事がありましたので、そのことを今連載で書いています。
その子供の頃のことを思い出すきっかけになったのは、昼間のパート勤務だけではなく夜にアルバイトで弁当の配達を始めたことがきっかけでした。幼馴染の家が、偶然顧客の一人だったのです。
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