日本のトラックメーカーの海外展開はアジア市場に軸足を置いていますが、このニュースもその証左でしょう。インド市場は、中国市場につぐ巨大市場で、将来的にも有望なマーケットと見られますが、ダイムラーがインドで立ち上げた新ブランド「バラート・ベンツ」では、このほど一挙に17機種を発表。その中の小型トラックには日本の車両開発技術が活かされています。以下は三菱ふそうのニュースリリースから……・
三菱ふそうトラック・バス(以下:MFTBC)は、インドのDaimler India Commercial Vehicles Pvt. Ltd.(以下:DICV)で生産、販売される車両の開発および生産のサポートを行なっているが、このほどDICVは、現地において、BharatBenz(バーラト・ベンツ)ブランドで、2014年までに販売する小型トラックおよび大型トラック17機種を発表した。ちなみにDICVは、ダイムラー社の子会社で、2011年2月に設立。社員数は1200名で、ダイムラー社の5番目のブランドである「バーラト・ベンツ」をインド国内に展開している。
今回DICVが発表した小型トラックは、MFTBCの小型トラック「キャンター」および中型トラック「ファイター」のプラットフォームを活用したもので、4D34型4気筒ディーゼルエンジンを搭載。車両総重量9トン(エンジン出力:100kW)および、12トン(エンジン出力:125kW)仕様となる。なお大型トラックは、ダイムラー社のAxorのプラットフォームを活用した車両で、車両総重量は25トン、31トン、および49トン(トラクター)となる。
MFTBCは、車両の開発・生産に際し、全面的にDICVをサポートしてきた。具体的には、車両全体設計、CAE解析、車両の実験・評価方法、エンジンおよびトランスミッションの現地化、生産技術等の分野であり、DICVへの技術者の派遣および同技術者のMFTBC受け入れを行っている。これにより、高積載量や厳しい道路事情等があるインド市場に特化した車両を、短期間でユーザーに提供することが可能となった。
今後DICVでは、2012年4月よりインド南部のチェンナイ近郊にあるOragadam(オラガダム)工場にて同車両の生産を開始。部品の現地調達率は85%を予定している。なお、同工場の生産能力は初期段階では年3万6000台を予定しており、今後は7万台まで拡大する予定。
また、2012年第3四半期までに70以上の現地ディーラーを通じて販売を開始、2014年までに販売ネットワークを100拠点以上に拡大する予定である。
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