元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.9

元ベテラン運転手 トラさんの「泣いてたまるか」 No.9

トラックドライバーの誇り その6

今現在、運送業界の置かれた立場は厳しいものがあります。規制緩和以来、運賃の低下現象が長い間続き、最近やっと歯止めがかかっては来たものの、実際に会社を経営していくには厳しいものがあります。
会社を成り立たせるために、経営者はいろんな努力をするのは当たり前です。その努力は、事故を無くすことと燃料の節約は大きな二大看板とも言えるでしょう。その二つを満たすべく採用したのがデジタコなのです。3331の原理が崩れたことは前回書きましたが、それは、低運賃と原油の高騰が背景にあります。そして、節約のやり玉に挙げるのが、当然のことながら、事故防止と燃料の節約になります。
人件費もあるだろうって? はい、それはもうすでに一番先に実行されています。
事故は、保険で賄うから……と、思っているあなた! 保険料は事故をすればするほど、翌年から保険料が上がります。それがバカにならないのです。
また、燃料の節約に関しては、ある運送会社の試算ですが、一般道で60km/hに規制したところ、約20%の節約になったということです。もちろん、その数字にはアイドリング禁止も入っています。

運転手にとって、スピードを出せないことは、運転労働時間が増えることを意味します。また、アイドリングの禁止は、夏の暑さ、冬の寒さには堪えます。休憩時間を満足に取れない状況と、寒さ暑さに耐える労働……。その中での事故率の低下です。
つまり、デジタコの導入は、けっして運転手の労働環境を良くするものではありません。しかし、事故は減少している……。相反することに思えますが、これは厳然たる事実なのです。
私は、元運転手として、その厳しさは誰よりも知っている。このことは大いに誇れることだと思う。

トラさんのブログ「長距離運転手の叫びと嘆き」
http://www.geocities.jp/boketora_1119/

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