偕成社といえば、主に児童図書を発行している出版社として、つとに知られています。実際、キャップが子供のころ一番好きだったのが「ひろすけ絵本」で、「りゅうの目のなみだ」や「泣いた赤おに」なんて、何回も何回も読み返したものでした。うちの子供達も「おばけのバーバパパ」「手ぶくろを買いに」「ごんぎつね」などが大好きだったし、うちのカミさんなんて、未だに星野富弘さんの花の詩画集を大事にしています。
その偕成社から「ダンプのちびトラ」という本が送られてきました。送ってくれたのは編集部のKさんという方で、以前、トラックのライトのことが知りたいというお問い合わせを頂き、それに答えたお礼として、「出来あがった本を送ります」とのこと。大したことを答えたわけではないし、実際には何の役にも立たなかったのですが、それでもご丁寧なお礼状と共に本を送ってくれるなんて、何て礼儀正しい出版社なのでしょう、皆さんのご厚意を踏み倒してばかりいる弊社も(笑)、しっかり見習わなければ…、と思いました。
さて、肝心の「ダンプのちびトラ」ですが、今日もはりきって仕事に出発したちびトラの言葉を通して、ダンプの仕事ぶりを伝える幼児向きの25ページの絵本です。アメリカ・ニュージャージー州に住むマージェリー・カイラーさんの作で、絵はボブ・コーラ―さん。ちなみにコーラーさんは、オハイオ州で車の整備士をしていた父親の影響で「働くクルマ」には詳しそう。絵本の見開きトビラには18台もの働くクルマが描かれています。これがまず楽しい。さらにページをめくると、思わず「なんでやねん!?」という突っ込みを入れたくなるのですが、ちびトラは何と関西弁をしゃべるんですよ! たとえば……
はこんで スガガで せっせっせ
いったり きたりで よいよいよい
めちゃ すきやから やってるねん
おいら ちびトラ、ごきげんさん!
まさにノリのいい関西弁で、こういうのって、うちの子供達も大喜びしてましたで、ホンマに…。ちなみに訳者のとりやまみゆきさんは、大阪生まれとあるので、キャップのインチキ関西弁と違って、ホンマもんでっせ。もう一つ付け加えると、このとりやまさん、「ダンプのちびトラ」の翻訳のため、クレーン車やパワーショベルなどに試乗したそうです。幼児向きの絵本だからこそ手を抜かない、本当に丁寧につくられているんですね。シカゴ公立図書館が「ベストオブベスト」絵本に選んだという人気作「ダンプのちびトラ」、お薦めです。 (キャップ)