1月9日、アントファガスタからコピアポ
競技区間(SS):508km 移動区間(リエゾン):268km
波乱の大砂丘を越えてコピアポへ
排気量10リットル以下クラス・ワン・ツーを奪還
後半戦の山場は続く。10日の行程はチリのアントファガスタからコピアポで、 268kmの移動区間で南下したあとアタカマ砂漠の中心部を舞台に508kmの競技区間(SS)が設定された。距離が長い上にアップダウンが激しく標高はおよそ2000mから 200mまで変位、砂丘も4箇所にわたって用意され、埃の酷い丘陵を行くオフピストなど路面が多彩に変化するステージであった。
日野レンジャー2台でトラック部門の市販車部門に参戦している日野チームスガワラはこのSSを的確な走りでクリア。この日18番手スタートの2号車菅原照仁/鈴木誠一組はCP(チェックポイント)2を16位で抜けると難易度の高い砂丘をクレバーにクリアしてCP4で9位にポジションアップ。その後も順調に走り続けてSS総合10位/市販車部門1位/排気量10リットル以下1位でゴールした。一方、1号車菅原義正/杉浦博之組はとりわけ慎重な走りを心がけ、13番手スタートからCP2で28位に後退。しかしCP5までに10リットル以下クラスの2位を争っているJ・エルフリンク組(メルセデス・ベンツ・アクサー)をパスして11位に浮上すると同16位/市販車部門3位/10リットル以下2位で無事SSを終了した。
この結果によりトラック部門の累計順位で2号車が総合11位/市販車部門2位/10リットル以下クラス1位を堅持する一方、1号車は総合13位/市販車3位/10リットル以下2位にポジションを上げ、10リットル以下クラスのワン・ツー体制を再び確立した。
11日はここコピアポのビバークを基点に235kmのループ状コースで競技が行われる。距離は短いものの難易度の高い砂丘越えが何箇所も設定されており、今大会最大の山場となりそうだ。ビバークでは日野メカニックたちが未明まで点検整備を行って万全の体制を整えていた。
菅原義正/今日はとりわけ慎重にクルマを大事に走ることを心がけました。明るいうちに帰るのが目標だったのですが、ギリギリで日没となりましたね。おかげでノートラブル、ノーパンク、ノースタックで難しいSSを終えることが出来ました。明日(11 日)も難関が続きますが一歩一歩気をつけて進んでいきます。
杉浦博之/キツイ一日でした。ナビゲーションも砂丘もエスケープできないところが多く、トラックには大変。さすがに疲れましたが明日も気合で頑張ります。
菅原照仁/砂丘といっても大きな砂の山は登りが急でトラックはまっすぐ登れないところやキャンバーで転倒しそうになる危ない場面もありました。でも、丁寧な走りを心がけてクルマにダメージなく抜けてこられました。長くて疲れましたが、上手くいった一日ですね。
鈴木誠一/日中は暑くて負荷の掛かる上りでは水温が100℃を越えることがありました。下りで冷ます感じで上りのアクセルを緩めるほどではなかったです。ミッションやエンジンオイルの温度も高めで、今年対策したもののフィアンバラに行くときがちょっと心配です。
トラック部門 ステージ順位
順位 No. ドライバー メーカー タイム
総合 * **
1 500 VLADIMIR CHAGIN (RUS) KAMAZ 6:01:12
2 502 FIRDAUS KABIROV (RUS) KAMAZ 6:33:01
3 512 EDUARD NIKOLAEV (RUS) KAMAZ 6:38:07
4 504 ALES LOPRAIS (CZE) TATRA 6:42:48
5 518 ILGIZAR MARDEEV (RUS) KAMAZ 7:29:12
9 520 HUGO DUISTERS (BEL) IVECO 8:11:44
10 1 1 526 TERUHITO SUGAWARA (JPN) HINO 8:17:07
14 2 528 MATHIAS BEHRINGER (DEU) MAN 9:17:06
16 3 2 513 YOSHIMASA SUGAWARA (JPN) HINO 9:55:28
19 3 538 CLAUDIO BELLINA (ITA) GINAF 10:06:33
トラック部門 累計順位
順位 No. ドライバー メーカー タイム
総合 * **
1 500 VLADIMIR CHAGIN (RUS) KAMAZ 8:42:00
2 502 FIRDAUS KABIROV (RUS) KAMAZ 8:45:27
3 504 ALES LOPRAIS (CZE) TATRA 9:11:36
4 512 EDUARD NIKOLAEV (RUS) KAMAZ 10:34:28
5 507 FRANZ ECHTER (DEU) MAN 12:11:52
10 1 528 MATHIAS BEHRINGER (DEU) MAN 18:21:38
11 2 1 526 TERUHITO SUGAWARA (JPN) HINO 19:46:01
13 3 2 513 YOSHIMASA SUGAWARA (JPN) HINO 22:50:59
15 4 3 538 CLAUDIO BELLINA (ITA) GINAF 2:10:49
* :市販車クラスの順位 **:排気量10リットル以下クラスの順位
※順位はレポート執筆後に更新(修正)されることがありますので、ご了承ください。
(日野自動車HP ダカールラリー最新ニュースより)