ドライバーの労働環境改善に効果!! パブコが製作した日野プロフィアベースのアコーディオン幌車に迫る!!

ドライバーの労働環境改善に効果!! パブコが製作した日野プロフィアベースのアコーディオン幌車に迫る!!

 三菱ふそうグループの大手架装メーカー「パブコ」が、日野プロフィア4軸低床シャシーベースのアコーディオン幌車を製作。労働環境改善を最優先するドライバーファーストなユーザーの特注で製作された同車両の特徴とは? 完成したばかりの実車をレポートした!

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

アコーディオン幌車でドライバーの労働環境を改善

パブコが製作した日野プロフィアFW系ベースのアコーディオン幌車
パブコが製作した日野プロフィアFW系ベースのアコーディオン幌車

 パブコは明治34年(1901年)に設立された、国内最古の車体架装メーカーのひとつ。神奈川県海老名市にある同社・本社工場はウイング等カーゴ系ボディの生産拠点として知られる。

 いっぽう、奈良県大和郡山市にある同社第二の生産拠点、近畿工場は100%受注生産の平ボディが専門。今回紹介する4軸低床アコーディオン幌車は、この近畿工場でつくられたものだ。

 依頼主の岡田運輸は神奈川県川崎市に本社を置く大正10年(1921年)創業の運輸会社。現在は鋼材全般をメインに、塗料、健在、住宅材などを幅広く運んでおり、営業拠点は日本全国に8カ所、トラックは大型平ボディを中心に100台超を保有する。

 ドライバーの肉体負担軽減や作業時間短縮のため、1980年代よりアコーディオン幌車の開発を続けており、長年コツコツと改良してきた同社のアコーディオン幌車は同業他社にも一目置かれる存在という。今回紹介するクルマは、そんな同社の最新仕様のアコーディオン幌車である。

独自のメカニズムで長尺物の天井クレーン荷役に対応

 アコーディオン幌車は、平ボディのサイドアオリにレールを取り付け、そこに伸縮式の骨組みを搭載し、幌シートをかぶせたもの。

 平ボディは製品を風雨から守るため荷台にシートをかけるが、アコーディオン幌車はこのシート掛けにかかるドライバーの肉体負担軽減と作業時間短縮に寄与。ちなみに大型平ボディのシート掛け約1時間に対し、アコーディオン幌の開閉は5分ほどだ。

 今回紹介する4軸低床アコーディオン幌車は、クレオ製「ダイクレ・アコーディオンアーチ」のABタイプ(前後収納型)に、CZタイプ(キャブ上・後方突出型)の機構を組み合わせたもの。

 前後どちらからでも幌の開閉ができるABタイプに、幌を前後に突出させて
開くことができるCZタイプを組み合わせることで、これまで困難だった長さ9000mmの長尺物の天井クレーンでの積み降ろしに対応。作業性を大幅に向上している。

 なお、CZタイプは本来、前後どちらも突出させて開くことが可能だが、今回の車両は前側にパブコ独自の「フロントロック装置」を搭載しており、突出させることができる機構は後方のみの搭載となる。ちなみにパブコでCZタイプを製作するのは今回が初という。

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