ダイムラートラックグループが過去最高収益を更新！ 三菱ふそうも欧州で躍進！

　ダイムラートラックといえば、トラックの販売台数で世界一の商用車メーカーで、日本の三菱ふそうの筆頭株主でもあります。

　グループは2023年に過去最高益を更新！　特に欧州市場で三菱ふそうが好調だったようで、それをけん引しているのが世界初の量産型電気小型トラック「eキャンター」なんだとか。

文／トラックマガジン「フルロード」編集部
写真／三菱ふそうトラック・バス株式会社・Daimler Truck AG・フルロード編集部

ダイムラートラックがグローバル販売台数52万6053台を達成

　三菱ふそうトラック・バスは、同社の筆頭株主であるダイムラートラックが2023年の財務目標を達成したことを発表した。

　2023年、ダイムラートラック社のトラック・バスのグローバル販売台数は52万6053台（2022年は52万0291台）で、重要市場の供給制約にもかかわらず、前年に続いて増加した。

　同社は、主要市場における旺盛な需要を受け、収益は過去最高となる559億ユーロ（同・509億ユーロ）、調整済みEBIT（利払前・税引前利益）は54.89億ユーロ（同・39.59億ユーロ）を記録し、2024年の堅調な見通しにつながるフリーキャッシュフローを確保した。

　「FUSO」ブランドを含むトラック・アジア事業セグメントは、販売台数を16万1171台と3％伸ばし、収益も70.6億ユーロと9％増加した。調整済みEBITは3.3億ユーロと93％増加し、調整済みRoS（営業利益率）も4.7％に達した。

欧州市場でFUSOブラントが躍進

　欧州では、FUSOは前年比で14％増の1万台以上を販売し、2007年以降で最高の業績を達成。車両生産台数も10％増加し、うち600台は電気小型トラック「eキャンター」だった。また、欧州でFUSOは、部品事業とリマニ部品事業の双方で、過去最高のアフターセールス収益を達成した。

　欧州は現在、ゼロエミッション車両（ZEV）の主要市場となっており、「eキャンター」のセールストレーニング、顧客テスト、市場イベント、そして販売といった活動が活発に行なわれている。

　FUSO の「eキャンター」は2023年、過去最高の1680台を販売。初の量産型電気小型トラックとして2017年に日本で発売して以降、三菱ふそうはグローバルに「eキャンター」の販売を拡大し、FUSOグリーンリースなどの「FUSO e モビリティソリューションズ」によって、顧客のEVシフトをサポートしてきた。

　ちなみに、ダイムラートラックの年次レポートによると、グループ全体の販売台数52万6053台のうちZEVは3443台で前年比プラス277％（3.77倍）と急増したが（小型トラックとバス、バスシャシーを含む）、かなりの部分を「eキャンター」が占めていることがわかる。

　とはいえZEVの構成比は商用車全体のわずか0.7％という計算で、まだまだ伸びしろがありそうだ。
（なお、電動化で先行するボルボグループは2023年のZEV構成比が1.4％だった）

新型eキャンターがZEV市場でリーダーシップを発揮

　「eキャンター」新型モデルは2023年8月にチリで、2024年1月に香港で発売され、三菱ふそうは小型ZEVセグメントをけん引し続けている。また 2023年には、新型「eキャンター」をインドネシアやオーストラリアといった主要市場で披露し、台湾では先行受注した。

　これらは顧客のEVトラックと関連サービスの需要が世界的に高まっていることの証左であり、三菱ふそうは2024年にさらに複数の海外市場での発売を計画しており、グローバルなZEVの展開を続けていくとしている。

　三菱ふそう代表取締役社長・CEOのカール・デッペン氏は以下のように述べている。

　「ダイムラー・トラック・アジアと 三菱ふそうは2023年、優秀な業績を残しました。これらの達成に貢献いただいたお客様と従業員、パートナーの皆様のご尽力に心から感謝申し上げます。

　当社の販売台数は3％、収益は9％増加しました。それに加えて、当社の調整後EBITは93％増加しました。これは、レジリエントな財務パフォーマンスと持続的に成功する能力に対する当社の取り組みを示しています。

　特に、当社の”FUSO”ブランドは、最新の『eキャンター』を複数の国際市場に導入したことで、世界中のお客様に受け入れていただき、ZEV市場で強力なリーダーシップを発揮しました」。