電動化は安全性向上のため!? スウェーデンの新興トラックメーカー・ボルタが急成長!

ボルタ・ゼロで北米市場に参入

 欧州においてBEVトラックメーカー・サービスプロバイダーとしての地位を確立しつつあるボルタだが、5月5日には北米市場への参入を発表した。計画通りなら北米初の「ボルタ・ゼロ」は2023年の年末までにロサンゼルスの公道で見られるようになる。

 北米市場に投入するトラックは欧州のボルタ・ゼロ16トンモデルと同等のドライまたは冷蔵カーゴ車だ。バッテリー電気式の中型トラックであるボルタ・ゼロは特に都市内輸送向けに設計されている。

 ボルタ・ゼロはモーター・トランスミッション・アクスルを一体化したコンパクトな電動アクスルを採用しているが、この電動アクスルはミシガン州に本社があるメリトール製だ。高電圧のバッテリーは車両で最も安全な場所、シャシのサイドレール間に配置する。

 ボルタトラックスは100台のトラックを2023年の中ごろまでに米国の顧客の元でテストする。最初はロサンゼルス、その他の都市がこれに続き、2024年中に量産車をロールアウトする。

 ボルタはこれまでに24台のプロトタイプを製造し、欧州で集中的に試験を行なっている。北米市場への導入までに欧州での製造台数は1500台となる見込みだ。

 米国の重量車区分で「クラス7」(GVWが最大3万3000ポンド=約15トン)に相当するボルタ・ゼロは都市内の輸送を前提としているため、モジュラー式バッテリーによる航続距離は95から125マイル(150~200km)となる。これは市内の配送には充分過ぎる距離だ。

 充電は普通充電(AC)のほか、1時間強でフル充電が可能なDC-250kWの急速充電に対応する。19kWの普通充電1時間当たりの航続距離は12マイル(約20km)に相当する。

 クラス7トラックに続き、2024年~2025年に1万9500ポンド(約8.8トン)のクラス5/2万6000ポンド(約11.8トン)のクラス6トラックを投入する。これは北米市場参入に先だって発表された欧州の7.5トン/12トン車と同等のクラスとなる。

北米での製造と Truck as a Service

 いうまでもなく北米は巨大な市場だが、大型トラックはキャブオーバーではなくボンネットタイプが主流で、ドライバーが個人でトラックを購入し運送業に従事するオーナー・オペレータも多いなど、独特の市場でもある。

 大型車の電動化ではニコラやXosなどの新興メーカーが先行するほか、ダイムラーグループやボルボなどの伝統メーカーも北米市場向けにBEVトラックの開発を加速しており、競争が激しくなっている。

 いっぽうボルタは、欧州での経験から運送業者が電動化に際して直面する複雑な状況を理解しており、これに応じるために、フリートを電動化するために必要なすべての要素を一つにまとめた 「トラック・アズ・ア・サービス」(TaaS)を提供している。

 欧州における TaaS は、インフラの理解から充電設備の導入までを含んだ一連のサービスで、BEVトラックを所有するリスクを軽減するための金融・保険も含まれている。また、車両のライフタイム全体に渡るサービス・メンテナンス要件もすべて含まれているというのも重要な点だ。

 北米でも欧州と同じアプローチにより、サービス拠点となる「ボルタ・トラックス・ハブ」を整備する計画。トラックの稼働時間と顧客の利便性を最大化するため、ハブは物流センターの近くに設置する。同時にサードパーティのサービスネットワークの開発にも取り組む。

 北米での製造に向けて現地パートナーと協議中で、2022年後半に合意する見込みとなっている。米国に投入する最初のクラス7トラックは、欧州向けと同様、オーストリアのシュタイアが製造する。北米での製造は2024~2025年にスタートし、クラス5/6トラックは当初から米国で製造する予定だ。

 ボルタ・トラックス創業者の Carl-Magnus Norden 氏は次のように話している。

 「2020年9月にボルタ・ゼロを発表して以来、ロンドンやパリなど欧州の各都市でトラックが電動化して行き、私たちのコンセプトがお客様のニーズにあっていることを確認しました。

 現在、欧州でも大手の運送事業者様からのプレオーダーが6000台を超えており、私たちの地平線を北米という重要市場に広げる時が来たと考えています。この電動トラックがアメリカのお客様のニーズに完全に合致していると確信しています。

 北米の運送事業者とお会いして、フル電動トラックを紹介する日を楽しみにしています」。

【画像ギャラリー】GVW7.5/12トンモデルが追加された「ボルタ・ゼロ」ファミリー(7枚)画像ギャラリー

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