多目的小型商用EV「エレモ」登場! 災害時にも活躍するEVの実力とは?

多目的小型商用EV「エレモ」登場! 災害時にも活躍するEVの実力とは?

 EVスタートアップ企業のHWエレクトロ(東京都江東区)は7月12日、同社が製造・販売を行なう多用途小型商用EV「ELEMO(エレモ)」を発表した。

 今回の発表では、生花通信配達を行なう「花キューピット」との実証実験も発表。同実証実験では「加盟店から届け先まで」のラストワンマイル配送にエレモ1台を導入。CO2排出抑制の効果などを検証するとしている。

 なお、HWエレクトロは6月24日、一般社団法人 防災教育振興中央会(防教)と業務提携。また同日、千葉県木更津市と「災害時における電動車両等の支援に関する協定」を締結し、防災備蓄品を積載したエレモ1台を寄贈している。

 エレモは「多用途小型商用EV」を謳い、荷台のカスタマイズ機能や、IoT技術などの独自機能が特徴。災害時の「IoT機能付エマージェンシーツール」や「移動式エネルギー源」としての活用も想定されており注目を集めている。

 一体エレモとはどんなクルマなのか? その走りは? 実用性は? 発表会および同時開催の試乗会からのファーストインプレッションを届けする。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

【画像ギャラリー】荷台カスタマイズにIoT機能付き緊急ツール、家電への電力供給も!! 多用途小型商用EV「ELEMO(エレモ)」を見る


■頑丈なシャシーに日本製足回りを搭載! 小型EVトラック「エレモ」のプロフィール

車両サイズは全長3910~3925×全幅1380~1450×全高1905mm。全長3400mmを超えるため軽自動車枠に収まらず、4ナンバーの小型貨物自動車で登録となるが、HWエレクトロでは今年中を目標に軽自動車モデルを開発中だ
車両サイズは全長3910~3925×全幅1380~1450×全高1905mm。全長3400mmを超えるため軽自動車枠に収まらず、4ナンバーの小型貨物自動車で登録となるが、HWエレクトロでは今年中を目標に軽自動車モデルを開発中だ

 エレモは、アメリカ・カリフォルニア州と中国・杭州に拠点を置くCENNTRO社の小型EVトラックがベースとなっている。

 これは、HWエレクトロが2021~2022年の2年間はCENNTRO社から輸入した車両の組み立てと販売などをメインに行ない、2022年後半より独自開発の多用途小型商用EV(軽トラ・軽バン)を発売する計画のため。

 つまり、真の意味での自社開発車両の登場はもう少し先となるのだが、今回発表した車両にもHWエレクトロが独自開発した部分は存在する。

2人乗りのキャブは幅が現行の軽自動車の1475mmより狭い1380mmでちょっと窮屈。室内高は余裕だ。メーターのレイアウトは独特で、センターのデジタルモニターがメインメーター、運転席側(ハンドル奥)のモニターはバックアイとなる
2人乗りのキャブは幅が現行の軽自動車の1475mmより狭い1380mmでちょっと窮屈。室内高は余裕だ。メーターのレイアウトは独特で、センターのデジタルモニターがメインメーター、運転席側(ハンドル奥)のモニターはバックアイとなる

 それが足回りで、メルセデス・ベンツ・Gクラスの製造で知られるオーストリアのマグナ・シュタイア社製ラダーフレーム擁す後輪駆動シャシーには、アールエス・アール社製サスペンションやエンドレス社製ブレーキパッドなど、日本の有名メーカーのコンポーネンツが採用される。

 主要諸元は、全長3910~3925×全幅1380~1450×全高1905mm、GVW(車両総重量)1600~1700kg、最大積載量400~650kg。全長3400mm以上のため4ナンバー(小型貨物自動車)登録となるが、今年中に軽自動車モデルも登場予定だ。

ラダーフレームを擁す後輪駆動シャシーはオーストリアのマグナ・シュタイア社製。エレモ120はホイールベース間にバッテリーを搭載。エレモ200の場合はホイールベース間とリアオーバーハング部の2箇所にバッテリーを搭載する。モーターはリアアクスルの後ろに配置する
ラダーフレームを擁す後輪駆動シャシーはオーストリアのマグナ・シュタイア社製。エレモ120はホイールベース間にバッテリーを搭載。エレモ200の場合はホイールベース間とリアオーバーハング部の2箇所にバッテリーを搭載する。モーターはリアアクスルの後ろに配置する

 ラインナップは、バッテリー容量13kWhで最大航続距離120kmの「エレモ120」と、バッテリー容量26kWhで最大航続距離200kmの「エレモ200」の2種類。充電時間はエレモ120で6~8時間、エレモ200で10~12時間という。

 モーターは最高出力24kW(約32PS)と最大トルク120Nm(約12.2kgm)で、最大時速は85km、0-50km/h加速時間は15秒というスペック。最大登坂角度は20%である。

次ページは : ■エレモならではの2つの付加価値機能「荷台カスタマイズ機能」と「IoT技術」とは?

最新号

【特集】三菱ふそう新型スーパーグレート フルロードvol.54 本日(9/10)発売!!

【特集】三菱ふそう新型スーパーグレート フルロードvol.54 本日(9/10)発売!!

 自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が自信をもってお送りする本格派のトラックマガジン!!  今号…