■側面はカーテン式の荷台カバー 天井はアコーディオン式ルーフ
同車最大の特徴であるカーテンサイダーボディは、側面にカーテン式の荷台カバー、後部に観音扉、天井にアコーディオン式ルーフを標準装備。これにより側面・後部・天井の3方向からの荷役が可能となっている。
一見脆そうな布製のカーテンは、「27tの荷重がかかってもカーテンが破けたり、積み荷が飛び出してはいけない」という欧州の規定をクリアした、相当頑丈なもの。トランスウェブでは数年前からカーテンサイダーの運用を行なっているが、いまのところ破けたことはないという。
もしカーテンが破けても、アルミボディに比べれば補修は簡単とのこと。また、布製ということでなんとなく水漏れが心配な人もいるだろうが、要所要所にシール処理がしてあるため通常使用ではまず水漏れしないため安心だ。
なお、一般的なカーテンサイダーは支柱(ボディの枠を支える)の間に補強用のサポートフレームを持つが、フォークリフトによる側面荷役が主体の日本市場での使い勝手を考慮し、今回はカーテンの中に鉄のプレートを仕込むとともに、側面にアオリ板を装着。これにより強度確保と開閉時間の短縮化を図っている。
■構造がシンプルで、低価格なのも魅力
カーテンサイダーの最大の魅力は、なんといっても「価格の安さ」だ。今回のカーテンサイダーは、もともと構造がシンプルで価格が安いカーテンサイダーを、グローバルに大量生産を行なう消すボーラーが生産することで、さらに低価格化したもの。
具体的には、国産ウイングトレーラの3軸車が大体1000万円ぐらいなのに対し、今回のカーテンサイダーは730~750万円という価格設定を予定。ウイングトレーラ2台分で3台買える、というのは、車両代など仕入れコストを抑えたいユーザーには大きな魅力となりそうだ。
ちなみに本場欧州では、カーテンサイダーは長距離輸送用の汎用カーゴトレーラという位置付け。今回のカーテンサイダーも1日1回程度の荷役で運行する長距離輸送での運用を前提に開発を進めたとのことだ。もしかしたら日本の長距離輸送をカーテンサイダーが席巻する日がやってくるかも!?