これが日本のクラフトマンシップ 一品モノを作る匠が生んだ超低床重量物運搬車

■サブフレームには串刺し型を採用して低床化を実現

低床化に寄与する「串刺し型」サブフレームは、通常タテ根太に重ねて配置するヨコ根太をタテ根太に貫通させるもの。今回はヨコ根太のピッチを260mmと詰めて配置することで耐久性も高められている
低床化に寄与する「串刺し型」サブフレームは、通常タテ根太に重ねて配置するヨコ根太をタテ根太に貫通させるもの。今回はヨコ根太のピッチを260mmと詰めて配置することで耐久性も高められている

 シャシーフレームとボディを繋ぐ「サブフレーム」は、低床化のためヨコ根太をタテ根太に貫通させる「串刺し型」を採用。これにより床面地上高950mmを実現する。床板は信頼性の高いアピトン材で、ヨコ根太のピッチを260mmと詰めて配置することで耐久性を高めている。

 荷台は5方開で、高さ150mmのアオリを搭載。キャブバックの「鳥居」は収納スペース付きの「棚型」仕様。キャブバッククレーンを取り囲む独自のレイアウトが特徴で、小さな空きスペースは物置台や足踏み台として有効活用している。

 鳥居のメインの収納スペースは後ろ側6カ所、側面2カ所ずつで、すべて蓋付き。蓋の内側には水切りを設け雨水の混入を未然に防ぐ。

■前後にアウトリガーを備えたヘヴィデューティ仕様

タダノ製4.9t吊りクレーンはフロントのみならずリアにもアウトリガーを備えるヘヴィデューティ仕様。ショートホイールベース化したことで前後の重量バランスとリアアウトリガーの搭載スペース確保には苦労したようだ
タダノ製4.9t吊りクレーンはフロントのみならずリアにもアウトリガーを備えるヘヴィデューティ仕様。ショートホイールベース化したことで前後の重量バランスとリアアウトリガーの搭載スペース確保には苦労したようだ

 キャブバッククレーンはタダノ製の重量物用4.9t吊りを搭載。フロント・リアにアウトリガーを備えるヘヴィデューティ仕様で、リアアウトリガーの搭載位置や、前後の重量配分の最適化は各メーカー間で何度も協議して決めたという

 ショートホイールベース化したことでシャシー下回りの架装スペースは限られるが、レイアウトを工夫することで200Lの燃料タンクを2つ、スペアタイヤを2つ搭載。道具類を仕舞うための収納ボックスも備わる。

 軽量化はアルミホイール程度だが、過剰な補強をしないことで実質的な軽量化を実現。GVW22t級で重量級クレーンを搭載しながら、最大積載量8200kgを確保。徹底的な低床化と抜群の使いやすさは現場でも好評を博しそうだ。

【画像ギャラリー】キャブバッククレーンとアウトリガーを備える本格派!! 本所自動車工業の「超低床重量物運搬車」

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