熟練技能者に代わって溶接組立を担うロボット
今回取材したのは、24年末から本格操業をスタートしたばかりの小型ダンプボディ組立ライン。自動化が図られたのは、このダンプボディを構成する部品の工場内での運搬・配膳(ラインサイドへの部品供給を指す)と、運ばれてきた部品を組み立てる溶接工程で、そのために12億円を投資した。
溶接工程は、ボディの荷重を支える「メインフレーム」の組立からスタートする。チャンネル材の内側にリブ(補強材)を1枚ずつ所定の位置にセットしながら溶接、フレームとして仕上げていく工程を、ロボットが規則的な動きで進めていく。もともとは熟練した溶接技能者を必要としていた細かい作業だ。
さらに井桁に組んだメインフレームを、荷台フロア(工程内では裏側が上に向けられている)に仮溶接し、次いでボディヒンジ、テールパネル、左右サイドゲート、コーナーポストなどのパーツ類、アッセンブリ部品を溶接していく。
このうち基台との接点でもあるボディヒンジの取り付けは、いまや溶接技能者の手による数少ない作業のひとつだ。「標準型」とはいえ、それでもバリエーションは実に100種類以上にも及び、ボディヒンジとその取り付け位置も変わるためである。
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