中国やヨーロッパの一部の国では、大型トラックのBEVが普及し始めているようだが、わが国ではほとんど動きなし。
もちろん日本には日本の事情があり、他国の真似をしたり追随する必要などさらさらないのだが、ここにきてユーザーが自社の使用過程車にEVシステムを後付けする、いわゆるレトロフィットEVに動きが出てきた。
西鉄や国際興業、南海バスなどで採用されている大型レトロフィットEVだが、大型トラックではドーシンが名乗りをあげている。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
運送事業者がレトロフィットに注目したわけ
ドーシンは関東・関西を中心に事業を行なう運送事業者である。そのドーシンが今年5月の「ジャパントラックショー2026」に出品したのが、エンジンをモーターに換装した大型トラックのレトロフィットEVだった。そこには同社の安田猛代表取締役の熱い思いがあった。
「この大型レトロフィットEVを手掛けることなった元々の話をすると、以前コロナ禍で荷物が減り、ロシアの紛争で燃料代が上がって、日本全国の運送会社が潰れかけたじゃないですか。うちは150台くらいの運送会社ですが、自助努力を何とかしないといけない。
そこでEVトラックをつくって燃料コストを下げる、クルマの単価が高いから中古のトラックを使ってEV改造したら一番安く済むのじゃないか、それがそもそものきっかけでした。今から約4年ほど前の話ですね」。
現実に即した大型EVの可能性
では、どんな手法でレトロフィット大型トラックをつくったのだろう?
「まずエンジンを下ろした。マフラーや燃料タンク、工具箱も全部下ろした。下ろしてから今度はうちが搭載設計をやったモーターやコンバータを載せて全部繋げて、試作車ができました。ナンバー取得はこれで可能なので、このクルマを使って今からテスト走行に入ります。
走行試験をやって、問題がなければ一定期間・一定距離走り続け、その結果で発売を考えます。発売するかどうかは未定ですが、うちは運送会社なだけに自社で使いながら試走できます。だから現実的にやりやすい環境にあります。
今後は100台を一旦つくって、自社で使って試します。その後どこに入れるかは決まっているんですが、まだ発表できない部分もあります。大手の運送会社と一緒にこのクルマを使おうという企画が、今の大体の一つのストーリーです」。
現状では中国製のバッテリーを使用しているものの、今後は極力日本製にこだわっていきたいとという。現在、352kWhの電池を積んで航続距離は300kmほど。
ジャパントラックショーに出品したのは構造がわかるよう裸ボディだが、実際にはウイングを架装し、積載量は13トンだという。ちなみに架装を含めクルマづくりにはオートワークス京都が協力している。
【画像ギャラリー】JTS2026に出展されたドーシンのレトロフィット大型BEVトラック(3枚)画像ギャラリー




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