木質バイオマス輸送などで活躍する新明和工業の「スライドデッキ」に新オプションが登場。ドライバーの負担軽減や業務効率化に寄与する新オプション「シート式残量低減装置」とはどんなものだろうか?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/新明和工業
木質バイオマス輸送を効率化するスライドデッキ
新明和工業は、積荷搬送装置付運搬車「スライドデッキ」用の新オプションとして「シート式残量低減装置」を2025年10月29日に発売した。
スライドデッキは、床面に敷き詰めたスライドレールを前後に往復移動させることで、主に木質バイオマスなどの積荷を、荷台を傾斜させることなく排出できるもので、屋内や不整地など、ダンプでの作業が制限される場所での積荷の排出を、より安全に行なうことができる。
スライドレールは3本1組のアルミレールで構成。このレールをスライドさせ、積み荷を連続移動させる。油圧シリンダーを利用して前後に可動するので、逆スライドでの積込も可能だ。
主な積み荷は木質バイオマス、発電燃料、産業廃棄物などの軽比重カサ物。一例としては、木材チップ、おがくず、バーク、パームヤシ殻、古紙やプラスチックを主原料とする固形燃料、廃プラスチック、タイヤチップなどに幅広く対応する。
ドライバーの負担軽減などに寄与する新オプション
新オプションの「シート式残量低減装置」は、スライドデッキの前壁に格納されたシートが積荷と一緒に床面を移動することで、通常排出しきれず残ってしまう積荷残量を90%以上(乾燥した木材チップの場合)低減することができる。
これにより、スコップなどを使って積荷残量を荷台から降ろす作業負担の軽減や作業時間の短縮を実現。
また、積荷排出により車両後方に移動したシートはボタンひとつでウインチにより巻き取られ前壁に格納することができるため、荷台への昇降作業は不要。シートは前壁格納後自動で固定され、排出時は自動解除されるため、固定・解除の操作も不要だ。
なお、ウインチは作動中に一定以上の負荷が掛かると自動停止する機能を搭載。万一ウインチ作動中に引っ掛かりが発生した場合は自動停止し、装置や車両の損傷を防止する。
●主要諸元
適用シャシー:スライドデッキセミトレーラ
荷台内法長:9500〜13700mm
荷台内法幅 :2300mm
荷台内法高:1450mm
床材スライドレール:フラットレールタイプ
残量低減率:90%以上(積荷などの条件によって異なる場合あり)
ウインチによる巻取り時間:約27〜40秒(シートの水濡れなど条件により変わる)






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