メルセデス・ベンツGenH2トラック。アクトロスのセミトラクタ4×2フルエアサス・ストリームスペースLキャブをベースに、セルセントリック製燃料電池システムなどFCパワートレインを搭載する
GenH2が2基搭載するセルセントリック社製の大型トラック専用FCシステム。同社はもともとダイムラーグループのFC開発・製造子会社だったが、2021年にダイムラーとボルボ・トラックスの合弁企業へ改組、両社へFCシステムを供給することになった。ダイムラーとボルボは、同一システムを用いながらFCV技術を競うわけである
液体水素(LH2)を収めた燃料タンク。GenH2はこれを左右1基ずつの計2基を装備する。マイナス253度の液体水素を貯蔵するための真空断熱構造と、水素脆化に耐えうる材質を用いており、1基に重量換算40kgの液体水素が充填できる。なお、タンク自体はサプライヤの製品である
GenH2のeアクスル。複雑な形状の部品で懸架されている。動力性能は、連続出力625PS・連続トルク3154Nm、最高出力897PS・最大トルク4142Nmとかなり強力。このeアクスルの前方に容量70kWh・出力400kW高電圧バッテリーを搭載する。FCVは、BEVのように重いバッテリーを大量搭載せずとも航続距離が得られるのが特徴だ
昨秋ハノーバーでのGenH2公道走行に同乗した際に撮影。この車両は水素ガス仕様車だが、タンクや燃料供給系以外はレコード・ラン仕様車とほぼ同じ。手前のノートPCには、FCパワートレインのリアルタイム状態が表示され、その「運用戦略」に則った制御の一端がみてとれる
ヴェルト・アム・ラインにあるダイムラートラック・カスタマーセンターでの出発式。スタートフラッグを持つのはラインラント・プファルツ州のペトラ・ディック=ヴァルター州務長官、向かって右はダイムラーでトラック製品開発の責任者を務めるライナー・ミューラー・フィンケルダイ氏
レコード・ランでは25トンの積荷を載せたエアサス3軸シングルタイヤのドライバン・セミトレーラを牽引。GCWは40トン。このセミトレーラは、リアエンドをボートテール形状とするための可動式スポイラーとタイヤまで覆う大型サイドスカートを装着、徹底的に空気抵抗を軽減しているが、シュミッツカーゴブル製の市販車である
液体水素タンクの補給口にTUVの封印ラベルを貼付
ヴェルト・アム・ラインのダイムラートラック・カスタマーセンターを発つGenH2トラック
ダイムラートラックのアンドレアス・ゴールバッハCTO。レコード・ランでGenH2トラックを運転したドライバーのアンカーを務めた
ベルリンへ向けてアウトバーンを走るGenH2トラック
アウトバーンを走るGenH2トラック。それと気づく人はあまりいないと思われるが、IAAをはじめ一般向けの展示イベントでの関心は高いという
ベルリン中心部のゴールに到着したGenH2トラック
1047kmを走破したGenH2とゴールバッハCTO、セルセントリック社CEOのマティアス・ジュリトコ博士、TUVの関係者
GenH2トラックの足跡(画像提供:ダイムラー)