ものづくりの盛んな愛知県名古屋市を拠点に、半世紀以上にわたってトラックボディをつくり続けている名古屋ボデー。
「日本一のボデー屋になる!」という気合の入ったスローガンを掲げる同社のラインナップは、平ボディ、重機運搬車、スクラップ運搬車、バン・ウイングなど実に多彩。
近年は新普通免許(GVW3.5t未満、最大積載量2t未満)で運転可能なカスタム小型トラック「プティ・カミオン」シリーズの展開にも力を入れている。
今回紹介する一台は、地元名古屋のリピーターからの依頼で製作した医療用ガスボンベ運搬車。箱型ボディが特徴の同車両には、ガスボンベ運搬車の実績も豊富な同社のノウハウと、命に関わる仕事を行なうユーザーのこだわりが満載だ!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2019年9月10日発売「フルロード」第34号より
【画像ギャラリー】社会を支える医療従事者たちをさらに支える!! 名古屋ボデー製作の医療用ガスボンベ運搬車
■雨や埃を防ぐためボンベ運搬車には珍しい箱型ボディを採用
ユーザーのエバは、東海・北陸地方を中心に医療用ガス供給、および関連機器メンテナンスを行なっている医療用ガスのトータルサプライヤー。
愛知、岐阜、三重、福井の充填・配送拠点から各地の病院へ、酸素、窒素、炭酸ガスなど各種医療用ガスを365日24時間体制で届けている。
同社の医療用ガスボンベ運搬車は、配達時に雨や埃がボンベに付着するのを防ぐコンセプトで約20年前に開発されたものがルーツ。雨や埃を防ぐため、ガスボンベ運搬車では珍しい箱型ボディを採用しているのが大きな特徴だ。
ベース車両は、いすゞエルフNPR系GVW8t級高床シャシーのワイドキャブ(カスタム仕様)。高床シャシーは床面地上高を充填工場(積み場)のプラットフォームの高さに合わせるためのチョイス。床面地上高は995mmという。シャシーとボディを繋ぐサブフレームには鉄骨材の補強が施される。
最大の特徴である箱型ボディは名古屋ボデーの特製。前後2室構造となっており、前室は小型ボンベや車載工具、および高圧ガス運搬車への搭載が義務付けられている消化器など防災用品の収納スペースで、内寸は長さ795×幅1920×高さ1515mm。両側にシャッタードアを備える。