「EVだ!」「FCVだ!」と時代が大きく動く中で、これまでトラックのパワートレインの中核を担ってきたディーゼルエンジンは、なんだか影が薄い存在になってきています。
「老兵は死なず ただ消え去るのみ」というフレーズが思い浮かびますが、トラックに最も適しているとされる内燃機関であるディーゼルエンジンは、このままフェーズアウトする運命なのでしょうか? それとも何か延命策はあるのでしょうか?
カーボンニュートラル、地球温暖化防止が至上の今日にあって、いささか答えにくいところもあるかもしれませんが、ここは直球勝負でトラックメーカー四社にディーゼルエンジンの「行く末」を聞いてみました。
2021年3月発売 トラックマガジン「フルロード」第40号より
文/トラックマガジン編集部 回答/大型四社
写真/記載以外トラックマガジン編集部
【画像ギャラリー】このままフェードアウト!? 延命はあるのか!? トラックメーカーにディーゼルエンジンの今後を聞く
■当面はハイブリッドが大型車のCО2削減の現実的な解/日野自動車
まずは日野自動車の回答からご紹介しよう
「日野は、2050年に電動車比率100%を目指しています。当面はHV(ハイブリッド)が大型車のCO2削減の現実的な解であると考えているため、電動化に向けた取り組みと合わせて内燃機関の性能向上も進めています。
BEV(バッテリー式EV)やFCV(燃料電池車)はインフラ整備との関係や、国や地域ごとの政策の違いによって対応する必要があるため、適材適所で取り組んでまいります」。
■多様なニーズに応えられるよう、さまざまなパワートレインを研究/いすゞ自動車
続いて、いすゞ自動車の回答である。
「2050年カーボンニュートラルの実現において、日本のみならず各国でも電動化の取り組みは積極的に進むと思われます。当然のことながら、カーボンニュートラルへの取り組みに対して、電動化を中心に積極的に取り組んでまいります。
またいっぽうで地域によっては、インフラや燃料の事情によって、今後もディーゼルエンジンの需要が続く部分はあると考えております。ディーゼルエンジンでの輸送ニーズに対しては、よりクリーンでユーザーにとっての利便性の高いパワートレインを提供し続けてまいります。
この多様なお客様のニーズ応えられるように、EV、FCV、HEV、LNG、CNGなどのパワートレインの研究を進めております」。