なぜ運コン運転手になったのか その17
まあそんなこんなで、入校手続きと全ての教習の予約を取ってもらった後にですね、「視力検査」ってヤツをやったんですけど、ここでいきなり大型免許の洗礼を受けます。
普通免許だと、フツーの視力検査だけなんですが、大型免許はですね「深視力検査」ってヤツも加わります。
「深視力検査」ってのはですねぇ、検査装置の覗き穴から中を見ると、黒い3本の細い棒が横一列に並んでるんですね。表現するなら「┃┃┃」ってな感じで。その3本のうちの真ん中の棒だけが前後に動いてて、真ん中の棒が左右の動いてない棒と同じ位置に来たら「はい、今同じ位置!」みたいな感じでボタンを押すってな検査です。
これにより、モノの遠近感や立体感が、ちゃんと目で認識出来ているのかって事を調べるワケなんですけど、初めて受ける検査でしたし、そもそもどーゆー事なのか全く分かってませんでしたから、真ん中の棒が前後に動いている事さえ分かってないようなありさま。
「どーゆー事なんだ?」なんて覗き穴からボーッと見ている自分に、教習所のお姉さんが「動いてますよ~、分かりますか?」なんて優しく言ってくれて、なんとなく真ん中の棒が動いているのが分かり、「ん?ここかな?」みたいな感じで「そろったよ」ボタンを押してみたもののズレっズレで、何回かやってみたものの、やっぱ全然ダメ(笑)。
もうね、まだ教習も始まっていないのに、しょっぱなから落ち込みましたよ。受付のお姉さんに、「初めて深視力検査をやったんですから、仕方がないですよ。言ってもらえば、こちらで練習出来ますし、今はダメでも試験場でちゃんと出来れば平気なんで、大丈夫ですよ」なんて慰められながら教習所を後にして、翌日から教習が始まります。
最初は、大型の教習からです。
「大型」と言っても、現在とは免許制度が違いましたから、「中型」の平ボディ車を使った教習です。
自らトラックを運転するのは、この時が初めてでしたから、戸惑いの連続でした。
まず、座席ですね。乗用車だと座椅子みたいなのに座ってペダルを前に押すようなイメージだと思うんですが、トラックは、椅子に座って上からペダルを踏みつけるようなイメージで、目線も高いですから、座席に座ってもなーんかシックリこない。
アクセルペダルやブレーキペダルの形状も、乗用車が「吊り下げタイプ」なのに対し、トラックは「オルガンタイプ」でペダルもデカイ。さらに、ハンドルもデカイし、シフトノブも長い。
車体が長かったり、幅が広かったりすんのは当たり前なんですけど、トラックのミラーってデカいし、車体が結構ハミ出してて、それがどれくらいハミ出しているのかが分からない。
今まで、いわゆる「スポーツタイプ」の乗用車ばかり運転してたんで、「こーゆーの、ちゃんと運転出来るのか? 俺」なんて戸惑いながら、教習が始まりました。
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