日野デュトロ、2011年度グッドデザイン賞を受賞

日野デュトロ、2011年度グッドデザイン賞を受賞

今年7月に12年ぶりのフルモデルチェンジした日野自動車の小型トラック、新型「日野デュトロ」が2011年度グッドデザイン賞を受賞した。ちなみに「グッドデザイン賞」とは、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度で、社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰しているもの。

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新型「日野デュトロ」はエクステリアとインテリアデザインを一新、また新世代のハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車は高い燃費性能を発揮。安全性においても広い視界を確保するさまざまな装備を盛り込むなど、スタイル、環境性能、安全性を高い次元でバランスさせた小型トラックとして登場した。

かつて本誌が取材した際、新型日野デュトロのデザインに関して、開発を取りまとめた熊坂正弘チーフエンジニアは……、

デザインのテーマは「スマート&デライト」にし、「賢く使えて、お客様に喜びを」ということでデザインを進めました。
まずワイドキャブですが、ワイドキャブは全て一新しました。標準キャブは、国内固有の法規・規制ということで、4ナンバーの規制があり大きく骨格を変えることができませんので、骨格は流用しています。しかし、前回りを中心としたところ、それから内装を一新しています。
外観のデザインですが、外観デザインでこだわったのが、やはり燃費にも直結する空力性能です。ワイドキャブは、ドライバーさんに乗っていただくキャビンの部分は広く、前にいくに従って狭くなる前絞りのデザインを採用しています。併せてコーナーのRを大きくとることによって空力性能の向上を図っています。競合車さんと比較しても25~30%空力が良くなっているという結果が出ています。それからデザイン面ではフロントのバンパーからドアショルダーへ突き抜ける造形で力強さ、ダイナミックさを表現しています。
またデザインのオリジナリティについては、フロントのグリルからフロントパネルへ突き抜けるという造形でオリジナリティを出しています。いわゆる逆ハの字の造形ですが、日野自動車の中でも大型・中型のクルマを見ていただくと分かるんですが、やはりこういう逆ハの字の造形を取り入れていますので、今回デュトロでも採用して、日野自動車としての統一性を出しています。今回採用したグリルは日野のHにも見えるというところがもう一つの特徴です。この考え方はナロー、ワイド共どちらとも採用しています。
次にパッケージですが、まずワイドキャブですけど、ステップを大きく拡大しています。また、ドアを開けたオープニングも上、前、それから足元も大きくするということを実施しています。シートの着座可能身長ですが、これも現行車に比べて拡大を図っています。シートスライド量も大きく60㎜増やしています。居住性を良くするための一つのアイデアですが、シートをスライドさせるシートレールを斜めに配置しています、角度を6度前に傾けたのですが、これによって小さな人がシートを前にした時には、椅子が低くなります。ですからペダルや床に対する足つき性というのが非常に良くなっています。逆に大きな人が後ろにシートをスライドさせますと、シートが高くなる……、小さな人から大きな人まで、実にリラックスした姿勢がとれるように工夫しています。
標準キャブは、大きく骨格は変えませんでしたが、いろいろ工夫をこらしまして、これまでセンター席の足元が狭いということで、いろいろご指摘を受けておりました。これもインパネの形状変更、エアコン関係のコンパクト化を図って、楽に足がつけるように改善を図っています。
内装デザインに関しては、ともすると単調になりがちな内装デザインですけど、今回は動きのある、わくわく感のある立体というところを表現しています。特に特徴的なのがワイド/ナローともに採用していますが、非常に大きなトレイがまず乗り込んだ時に目に入ってきます。それとボトルホルダーを両脇に…。ワイドキャブはセンターにもボトルホルダーを設定しています。 

……と語っている。
ちなみに日野にとって今回のグッドデザイン賞の受賞は2006年の小型ノンステップバス「日野ポンチョ」以来5年ぶり、19回目のグッドデザイン賞受賞となる。  

 

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