「ダカールラリー2012」はこのほど開催概要が決定。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから南へ400kmに位置し、同国最大のリゾート地として有名なマルデルプラタを1月1日にスタート。アンデス山脈まで西へ移動した後、山岳地帯に沿って北上、チリへ入国。ダカール2012も、主戦場は世界一乾燥しているアタカマ砂漠周辺となると予想されるが、ペルーが新たにコースに加わり、新たな冒険が開かれるはず。
参戦20回目の節目となったダカール2011で、トラック部門 「市販車クラス連覇」と「排気量10リッター未満クラス1-2フィニッシュ」を果たし、ダカールラリーにおける日野の歴史に、輝かしい記録を残した日野チームスガワラだが、次回は、2004年大会以来8年ぶりに新型車を製作、投入することが決定した。
3カ年計画の初年度となる次回参戦する新型車の製作は、主にシャシー・ボディの改造が中心。日野レンジャーの車両耐久信頼性を維持しながら、ベース車を従来の日野レンジャーFTではなく、フレーム組幅が広いため、改造により適した日野レンジャーGTを採用。エンジンの加速性能アップと、搭載位置をミッドシップにして重量バランスの向上、さらに前回リアボディをアルミからカーボンにしたことなどで、200kg軽量化に成功したノウハウを生かし、さらに車両全体で200kgの軽量化を目指すなど、車両戦闘能力を大幅にアップし、市販車でなくレーシング仕様の改造車クラスとして参戦する。
足回りやパワーラインなどの性能の向上も順次実施予定。アンデス山脈の厳しい傾斜で横転が増えたこと、改造車が増えスピード化が進むことの懸念により、天井部にもロールバー(転倒時に乗員を守る)を装着する車両規定が制定。キャブをベッドレスに裁断し、ロールバーを後方から搭載すると同時に、ドアの内張りを剥がし、穴を開けるなど、グラム単位の軽量化も実施。モンゴルでテスト走行をするため、6月末までに車両を完成させる。
もちろんドライバーは、鉄人・菅原義正とエース・菅原照仁の親子2台体制。チーム代表 兼 ドライバーである菅原義正は、
「どんな窮地に陥っても決して諦めないスピリットを生み出すのは、人の心であり、人の力です。
いま、世の中には先の見えない不安がただよい、私たちの挑戦においても、多くの困難が予想されます。
しかし、私たちが進む道はひとつです。日本のトラックメーカーとして誇りをもって闘い、挑戦し続ける”日野スピリット”の象徴となることはもちろん、多くの皆様の希望の光となるよう、全身全霊をかけて準備を進めて参ります。
皆様にご理解・ご賛同をいただき、ご支援・ご協力を賜り、全員が日野チームスガワラとして、挑戦したくお願い致します」と語っている。
5月31日に古希を迎えた菅原義正 70歳の鉄人はますます元気だ
今やチームのエースドライバーに成長した菅原照仁