トラックの電動化は電動アクスル方式が主流に!? アリソンの完全統合型電動アクスルがなかなか凄い!

細部まで効率化が図られたeGen Powerの特徴

 eGEN Powerの大きな特徴として、平行軸レイアウト、内蔵2段ギアボックスを採用する点がある。

 既存FR車などはプロペラシャフトの回転力を直角に交わるアクスルに伝えるため、デフケース部にハイポイドギア(傘歯車の一種)が搭載されているが、平行軸レイアウトではモーターの軸とアクスルの軸を平行に配置し、伝達ロスが少なく、耐久性の高いヘリカルギア(平歯車の一種)を採用する。

 これにより高効率な動力伝達をすることができ、また回生トルクにおいても耐久性が増すことでモーターの定格とほぼ同レベルの回生を可能にしている。

 次に内蔵2段ギアボックスを採用する点も興味深い。モーター駆動では多段ギアを必ずしも必要としないが、登坂性能の向上、低速から高速まで高効率な運用を目的に、エアソレノイド駆動(エア駆動)の2段ギアボックスをアクスル内部に搭載する。

 また多段化することでモーターの小型化も実現でき、インバーターやアクスル全体の小型化・軽量化にも繋がっている。

 このほか、潤滑オイルはモーター、変速機構など各アクスル部をオイルシールドで区切り、必要なところに必要なぶんだけオイルレベルを保つように配し、オイルで全て浸すよりも撹拌性能の向上が図られている。

 また冷却システムは、オイルクーラーとオイルポンプを一体化し搭載。オイル漏れリスクの低減・高耐久性が実現されている。

 eGEN Powerは、日本でのOEM先は未定であるが、2023年から北米日野が販売するBEVへの搭載、英国おける消防車・レスキュー車製造のトップメーカー、エマージェンシー・ワン社の緊急車両プラットフォームへの採用が予定されている。

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