3日目、降雨でビバークが水没。行程も大幅変更に
3日、ダカール2022はハイル~アル・カイシュマ間でステージ2の競技を行ない、ハイブリッド機構を搭載したHINO600シリーズを走らせる日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組はトラック部門総合25位でゴール。3日までの累積順位を総合23位に高めた。
この日は当初アル・アルタウィヤへ向かう予定だったが、先日の降雨でビバークが水没したため、急きょ4日に予定されていたアル・カイシュマに目的地を変更。併せてアル・アルタウィヤをアシスタンス不在の中間ビバークに据えて実施する予定だった3~4日の「マラソン行程」もキャンセルとなった。
338.43kmのSS(競技区間)に変更はなく、アル・アルタウィヤ付近にあるゴール地点から新たに設定された270kmのリエゾン(移動区間)でアル・カイシュマに至る。
突然パワステが効かなくなるトラブル発生
SSは高速の砂地のワダチと砂丘越えが中心。207km地点のニュートラルゾーン(20分間)に続いて270~325km地点にある難易度の高い(レベル2)砂丘がこの日の難関に。最後はハイスピードの台地を走ってゴールするものだった。
日野チームのHINO600シリーズは昨晩メカニック陣の徹夜作業でリフレッシュされ、順調にこの日のSSに臨んだ。
中盤の砂丘を走行中、突然パワーステアリングが効かなくなるトラブルに見舞われたが、望月メカニックを中心に約25分ほどでパーツの交換作業を実施。その後は不具合は発生せず、粛々と走り切った。
4日は再び行程が変更され、アル・カイシュマを基点にしたループ状のコースで競技が行なわれる。
【従軍記者・多賀まりおの「ダカール2022」短信】
ダカールラリーのコロナ対策?
2021年1月、サウジアラビアを舞台にしたダカールの第43回大会は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中で開催されました。そして一年後の今年、同地で第44回大会を迎えたわけですが、コロナは未だ収まらず、さまざまな対策を行ないながらラリーを開催しています。
前回はPCR検査一辺倒でしたが、現在はワクチンを対策の中心に据えており、出国時は日本のワクチン接種証明書を準備し、サウジ入国72時間以内にPCR検査を受けて航空機に搭乗。
サウジ到着後は24時間以内に再びPCR検査を受け、陰性証明を貰わないと参加手続きが受けられない仕組みです。小職は到着日の午後に主催者手配のPCRを受けました。24時間以内に沙汰するから待てとの仰せですが、なかなか結果の連絡がありません。
一緒に受けた他の人にはその日の晩に陰性証明が送られてきましたが、小職には24時間を過ぎても連絡がない。陽性だったのか、それとも連絡先に記したメールアドレスが間違っていたのかなどと思いを巡らせ、とても心配かつ陰鬱な気持ちになりました。
翌々日には意を決して検査場に赴き、係の人に問い合わせたところ、「あ~、24時間以内に検査結果が送られてこなかった人の窓口はこちらです」と言われてガックリ。大勢の人が並ぶ窓口にはプリンタが置いてあり、数分で証明書を頂きました。
日本では信じられない展開ですが、ダカールではこういうことが多々あります。無事主催者の手続きを終えてラリーに帯同していますが、現場はいわゆるサニタリーバブル、外界との接触をできるだけ減らして感染経路を絶とうという作戦ですが、今年はかなりいい加減。
陽性になった複数の有名選手が再検査で陰性になったとか、本当かしらという感じです。今は帰国までにサウジが日本入国時の施設隔離対象国に入らないことを祈るばかりです。
【画像ギャラリー】ダカールラリーの序盤、2日目3日目の日野チームスガワラの戦いぶりは?(7枚)画像ギャラリー