ダカールラリー2018 日野チームスガワラの戦い №16

ダカールラリー2018 日野チームスガワラの戦い №16
ダカールラリー2018がコルドバにフィニッシュ  
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ゴールセレモニーに臨んだ日野チームスガワラ 
 
 ダカールラリー2018は20日、アルゼンチンのコルドバ近郊で最終競技区間(SS)を行ない、同地にゴール。15日間14ステージの戦いが終了した。トラック部門に日野レンジャーの2台体制で参戦した日野チームスガワラは、序盤に菅原義正/羽村勝美組の1号車を不運なトラブルで失ったが、菅原照仁/高橋貢組の2号車が排気量10リットル未満クラスの9連覇を果たすとともに、排気量10リットル以上のライバルに分け入る(累積)総合6位の好成績を挙げた。 
 19日に行なわれた900㎞超のロングステージを終えて、2号車がコルドバのビバークに到着したのは現地時間の午前1時頃。メカニックたちは不眠不休で車両の点検を行ない、20日の最終SSに備えた。行程は、まずコルドバ市郊外の競技場に設けられたビバーク地から北西に移動区間(リエゾン)で71㎞移動し、コルドバ山脈のふもとで119㎞のループコースのSSを実施。その後94㎞のリエゾンでいったんビバークに戻り、順位ごとに車列を整えて夜8時頃に市内の郡庁舎前に設けられたポディアム(表彰台)へ向かうというもの。路面は殆どが山間のツイスティなグラベルのピスト(未舗装路)だった。距離が短いため順位の変動は少ないが、万一ゴール出来なければ完走と認定されず、順位もつかないことになる。 
 菅原照仁/高橋組は引き続き冷静にこのSSに臨み、総合10位でフィニッシュ。その後コルドバのビバークに無事戻り、順位が確定した。 
 ゴール会場には日野自動車の市橋会長も駆けつけ、成果を祝福するとともに約1年間を掛けて準備を進めてきたチームのメカニックやスタッフを労った。全車が市内の群庁舎前に設営されたポディアムに到着したあと、第40回大会の成功を祝うパーティが開かれ、ダカールラリー2018の公式日程が全て終了した。 
 
市橋保彦(日野自動車 代表取締役会長)/目標である排気量10リットル未満クラスの9連覇を達成できて、ほっとしています。途中1号車のリタイアもありましたが、2号車が結果を出せて良かった。これからも日野自動車として活動を続けて行きたいと思います。 
菅原義正/今回は大失敗。気持ちを切り替えて次回改めて頑張ります。今回はコースも難しい中、照仁はよく頑張ったと思います。 
羽村勝美/リタイアは残念でしたが、2号車が自分たちの分まで走ってくれた。良かったと思います。自分はボリビアで若干体調を崩しましたが、今は元気です。 
菅原照仁/厳しいコースがずっと続き、今まで走ったことのない場所も走れて毎日楽しめました。自分にとって20回目のダカールラリーで、目標通りの結果を出すことが出来て良かった。現在のポテンシャルを出し切れたと思いますし、満足度は高いです。今はほっとしています。 
高橋貢/最高の結果。照仁さんのナビが務められて良かった。今日の最終SSはナビゲーションがほぼないようなコースだったので、ドライバーをプッシュしたりして楽しめました。 
鈴木誠一/今までのダカールの中で一番疲れました。それだけコースが難しかったのだと思います。特に前半から、他車もトラブルを生じさせていたのが印象的でした。でも2号車の結果には満足しています。 
岡部陽一(日野自動車)/メカニックのメンバーに助けられました。やはり販社のメカさんたちは優秀です。個人的には空気の薄いラパスが一番大変でした。寒いし全ての効率が落ちる。水と酸素の有難味が分かったような気がします。 
高野雄生(群馬日野自動車)/波乱続きの中、チームが一丸となって戦い抜くことが出来ました。最高の出来だと自負しています。お疲れさまでした。 
木下大樹(横浜日野自動車)/嬉しいの一言。日野レンジャーがよく頑張って走ってくれたと思います。ラリー中は辛かったですが、こうしてゴールに来ると疲れが吹っ飛ぶ感じです。 
山内愛一朗(富山日野自動車)/貴重な体験をさせて頂きました。2号車が結果を出してくれて良かった。本当に充実した2週間でした。 
澁谷亮太(神戸日野自動車)/正直疲れましたが、またやってみたい気持ちです。個人的にきつかったのはボリビアで高山病になったこと。でも仕事は出来たので満足です。 
田中宏治/1号車は残念でしたが、2号車が例年以上に順位を上げることが出来たので良かったです。車両が速くなる一方でメンテナンスにも時間が掛かるようになり、メカニックさんたちの負荷が大きくなってきたように感じます。 
佐藤雅樹(日野自動車)/あっという間の2週間でした。担当のアシスタンスカーの南米での運転にも慣れましたし、メカニックさんのサポートが出来たのも貴重な経験です。ありがとうございました。 
丸田大悟(日野自動車)/ドライバーもナビゲーターも、夜ビバークに戻ったあと翌日の予習をしっかりしていたのが印象的でした。担当したキャンピングカーの調子が悪く、大変なこともありましたが、無事に終わって良かったです。 
毛塚麻由美/あっという間の2週間でした。ダカールにはあこがれていましたが、こちらに来てみてその難しさがよく分かったような気がします。 
 
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息子、照仁の勝利を喜ぶ菅原義正 
 
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菅原照仁を労う日野自動車の市橋会長 
 
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チームを激励した市橋会長と選手たち 
 
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コルドバにゴールした日野レンジャーとチームスタッフ 
 
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健闘を讃えあったメカニックたち 
 
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ゴールセレモニーでパレードを行なう2号車とメカニックたち
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